岩手県や青森県のローカル線を走る、JR東日本の観光列車「ひなび(陽旅)」。
盛岡駅からは釜石線や山田線に入り、三陸海岸へ向かいます。また、八戸駅からは青い森鉄道線を経由して大湊線を北上し、下北半島へ向かいます。
「ひなび」の運行に当たるHB-E300系ハイブリッド気動車は赤色を基調としたデザインで、見た目がとても鮮やかです。緑色や紫色の車両が多い中で、観光列車としての「ひなび」が強く印象に残ります。
「ひなび」は週末を中心に運行され、きっぷを買えば誰でも乗車できる多客臨時列車です。この列車の行先は釜石駅・宮古駅・大湊駅で、週替わりでいずれかの駅に向けて走ります。
列車の行先が複数であり、普通車の他にグリーン車が連結されているため、きっぷの買い方に工夫が必要です。いかにしてきっぷを確実に手にするかが、この列車の乗り鉄を楽しむための鍵となります。

1人で乗車する場合、グリーン車の1人用シートを試していただきたいです。各席が独立しているのでプライバシーが保たれ、快適に乗り鉄を楽しめますよ!
この記事では、岩手県や青森県を中心に東北地方の各地を走る「ひなび」について、列車の概要・料金・きっぷの買い方を深掘りします。
釜石線に入る「ひなび釜石」号の下り列車に全区間乗車した際の様子をお伝えし、どのような列車かをイメージしていただきたいと思います。
- 「ひなび下北」号については、JR線を含む場合のみ指定券を購入可能なこと
- グリーン車(1号車)と普通車(2号車)は予約上、別の列車扱いとなっていること
- 席単位で発売されるため、グリーン車でも他の乗客と相席になる可能性があること
「ひなび」の概要・運行ダイヤ・設備・席番

最初に、観光列車「ひなび」の運行区間・ダイヤ・設備といった概要をご説明します。
「ひなび」について
「ひなび(陽旅)」は、盛岡駅をベースにして、岩手県や青森県のローカル線を走るJR東日本の観光列車です。東北地方の各地に出張し、別の臨時列車として運行されることもあります。
この列車の運行に充当されているHB-E300系ハイブリッド気動車は、観光列車の運行に最適化された車両です。新造された車両である上、走行音が静粛なため、長時間乗車しても疲れを感じません。
「ひなび」は、かつて観光列車として走っていた「リゾートあすなろ」の後継として、改装を経て2023年12月にデビューしました。
「ひなび(陽旅)」という列車名は、旅行者に「ぬくもりのあるゆったりとした旅」をしてもらいたいという想いを込めて名付けられました。
JR東日本盛岡支社管内をかつて走っていた気動車に施されていた配色が、この列車に引き継がれた形です。赤色の車体デザインが、列車のコンセプトであるぬくもりを表していると言えるでしょう。
「ひなび」は、列車に乗ること自体が目的であるというよりは、目的地まで快適に移動するための手段という性格が強いです。しかし、「ひなび」が走る路線がいずれも首都圏から離れているだけに、北東北を旅する非日常感がひとしお強く感じられることでしょう。
運行区間・運行ダイヤ
JR東日本によって運行される観光列車「ひなび」は、盛岡駅(岩手県盛岡市)をベースに岩手県や青森県内の各地へ向かう多客臨時列車で、金曜日および土休日を中心に運行されています。
運行される線区と目的地に応じて、運行系統が3つに分かれています。列車名と目的地は、以下の通りです。

- ひなび釜石:釜石線釜石駅(岩手県釜石市)
- ひなび宮古:山田線宮古駅(岩手県宮古市)
- ひなび下北:大湊線大湊駅(青森県むつ市)
「ひなび釜石」号は盛岡駅から花巻駅(岩手県花巻市)を経て釜石線に、「ひなび宮古」号は盛岡駅から山田線に入り、三陸海岸へ向かいます。
また、「ひなび下北」号は八戸駅から青い森鉄道を経由して大湊線を北上し、下北半島へ向かいます。
「ひなび」の運行に使用されるHB-E300系ハイブリッド気動車は1編成のみであるため、週替わりでいずれかの列車の運行に充てられています。
そのため、各列車の行先に応じた運行日をあらかじめ調べておくことが肝要です。
「ひなび釜石」号の運行経路・ダイヤ
「ひなび」の主な運行系統は釜石駅に乗り入れる「ひなび釜石」号で、運行日のうち大半が釜石駅発着です。「ひなび」と言えば、基本的には釜石駅発着の「ひなび釜石」号であると考えるとよいでしょう。
盛岡駅・花巻駅間は東北本線、花巻駅・釜石駅間は釜石線を走ります。民話で知られる岩手県遠野市への足として便利です。
下り列車が盛岡駅を出発するのは午前10時台と比較的遅いため、当日の朝に首都圏を出発して盛岡駅にアプローチできます。上り列車が盛岡駅に戻るのは18時頃で、当日中に首都圏に戻ることが可能です。
駅名 | 下り | 駅名 | 上り | ||
盛岡駅 | 発 | 10:40 | 盛岡駅 | 着 | 17:46 |
花巻駅 | 発 | 11:15 | 花巻駅 | 着 | 17:00 |
新花巻駅 | 発 | 11:23 | 新花巻駅 | 着 | 16:53 |
遠野駅 | 着 | 12:09 | 遠野駅 | 発 | 16:04 |
遠野駅 | 発 | 12:30 | 遠野駅 | 着 | 15:38 |
釜石駅 | 着 | 13:24 | 釜石駅 | 発 | 14:44 |
「ひなび宮古」号の運行経路・ダイヤ
盛岡駅から山田線に入り、宮古駅までダイレクトに向かうのが「ひなび宮古」号です。午前中に三陸海岸までアプローチできるのは、この運行系統に限られます。ただし、運行日が少ないので、この列車に乗りたいと思ったら運行日をまず確認しましょう。
下り列車が盛岡駅を発車するのは午前9時前で、やや早い時間帯です。首都圏からこの列車に乗りに行く場合、前日に盛岡駅入りしておく必要があります。上り列車が盛岡駅に戻るのは17時台で、首都圏へ当日中に戻れます。
駅名 | 下り | 駅名 | 上り | ||
盛岡駅 | 発 | 08:51 | 盛岡駅 | 着 | 17:22 |
宮古駅 | 着 | 11:19 | 宮古駅 | 発 | 14:47 |
「ひなび下北」号の運行経路・ダイヤ
「ひなび下北」号は、八戸駅から青い森鉄道線を野辺地駅(青森県野辺地町)まで進み、大湊線に入って終点の大湊駅まで向かいます。運行日があまり多くないため、乗車したいと思ったらまず運行日を確認しましょう。
下り列車が八戸駅を発車するのは午前11時少し前なので、当日の朝に首都圏からアプローチできます。上り列車が八戸駅に戻るのが17時台で、当日中に首都圏に戻れます。
駅名 | 下り | 駅名 | 上り | ||
八戸駅 | 発 | 10:50 | 八戸駅 | 着 | 17:42 |
野辺地駅 | 発 | 11:41 | 野辺地駅 | 着 | 16:52 |
下北駅 | 着 | 12:34 | 下北駅 | 発 | 16:04 |
大湊駅 | 着 | 12:40 | 大湊駅 | 発 | 15:59 |
列車の設備
HB-E300系ハイブリッド気動車で運行される「ひなび」は2両編成で、普通車とグリーン車が各1両づつ連結されています。
「ひなび」に関しては、売店やフリースペースのみの車両はありません。
グリーン車(1号車)

2人掛けと4人掛けのボックスシート(22席)と、1人用の展望シート(3席)を合わせて、定員は25名です。座席とパーティションが濃い青色と黒色で、非常に落ち着きがあります。
座っていると隣席以外車内を見渡せないため、プライベート感が確保されています。
普通車と同様、乗務員室側に展望スペースがありますが、こちらはベンチ付きです(グリーン車乗客のみ立ち入り可能)。
ボックスシートということで、予約システム上の列車名は「ひなび●●号(BOX)」です。普通車とは別の列車扱いとなることを覚えておきましょう。
普通車(2号車)

全席リクライニングシートで、定員34名です。座席は橙色で明るく、座面が高いので車窓の眺めがよいです。座席と通路の間には段差があるため、足元には注意したいです。
乗務員室側には展望スペースがあり、ベンチがないものの前面の眺めを楽しめます。
席番表
「ひなび」の指定券を購入する際、下図をもとに座りたい席番を考えましょう。A席側かD席側のどちらが景色がいいか一概には言えませんが、「ひなび下北」号に限っては、陸奥湾を目の前に眺められる普通車D席側とグリーン車1人用座席側が適しています。
グリーン車

普通車

「ひなび」の情報源(運行日の確認方法)
前述した通り、「ひなび」は週末を中心に運行される多客臨時列車です。毎日運行されないため、運行日と行先を自分で確認する必要があります。
JR東日本の「のってたのしい列車」公式サイトまたは時刻表に、シーズンごとの運行日が掲載されています。
また、シーズンごとに公表されるJR東日本ニュースリリース「臨時列車のお知らせ」も、多客臨時列車の運行情報がまとめて掲載された良い情報源です。
臨時列車の運行情報の調べ方について、別の記事に詳しくまとめました。ぜひご一読ください。

「ひなび」がどのような列車か分かったところで、料金やきっぷの買い方のお話に進みます!
「ひなび」の運賃・料金

全車指定席の快速列車として運行される「ひなび」に乗車するには、普通乗車券の他に指定席券(普通車)もしくは普通列車用グリーン券(グリーン車)が必要です。
ここでは、それぞれのきっぷの値段についてご説明します。
指定席券・普通列車用グリーン券
快速列車の普通車指定席に必要なのが「指定席券」で、グリーン車指定席に必要なのが「普通列車用グリーン券」です。いずれも通年同額で、シーズンによる料金の加算・減算はありません。
指定席券【全運行系統共通】:
大人840円・小児420円(1回)
普通列車用グリーン券【全運行系統共通】:
大人・小児2,000円
「ひなび下北」号は青い森鉄道線に乗り入れていますが、青い森鉄道線内の料金加算はありません(JR線分のみの料金で済みます)。
グリーン車には小児料金がなく、大人と同額であることを覚えておきましょう。
乗車券
乗車券として、普通乗車券以外にも各種フリーきっぷを利用可能です。ただし、交通系ICカードや定期乗車券を使用できないため、紙のきっぷを乗車前に購入する必要があります。
各運行系統の全区間を乗車した場合の運賃は、次の通りです。
- 盛岡駅・釜石駅間:大人2,310円・小児1,150円
- 盛岡駅・宮古駅間:大人1,980円・小児990円
- 八戸駅・大湊駅間:大人2,530円・小児1,260円
列車の運行区間のみの普通乗車券を購入する以外にも、実際に乗車する区間を通しで購入することも可能です(経路が一筆書きとなるように)。
「ひなび下北」号に関しては青い森鉄道線を挟むため、通過連絡運輸が適用された連絡乗車券として購入します。以下の経路メモを参考にしてください。
全国のJR線各駅(東北新幹線)八戸駅(青い森鉄道線)野辺地駅(大湊線)大湊駅
フリーきっぷについては、以下のようなきっぷを使用できます。青春18きっぷなど、グリーン車には乗車できないものがあるので注意してください(普通車は別途指定席券を購入すれば利用可能)。
- いわてホリデーパス【通年発売】
- 東日本のんびり旅パス【期間限定】
- 北海道&東日本パス【季節発売】
- 青春18きっぷ【季節発売】
- 大人の休日俱楽部パス【期間限定】
「ひなび」きっぷの買い方

「ひなび」は全車指定席の快速列車のため、設備に応じた指定券の購入が必要です。ここでは、指定券の予約方法をご説明します。
指定券の発売開始時期
普通車・グリーン車とも、乗車1か月前の午前10時00分に座席の発売が開始されます(月末について応当日がない場合翌月1日に発売)。いずれの発売箇所においても、この時刻には差がありません。
ネット予約サービス「えきねっと」を利用する場合に限り、乗車1か月7日前の14時00分から事前申込サービスの利用が可能です。
事前受付サービスをあなどらず、積極的に利用することをおススメします。発売開始時刻の10時を過ぎてから回答が来るまで時間がかかるものの、発売開始時における「10時打ち」を行うのに近い効果があります。
ネット予約サービス「えきねっと」を利用する方法
ネット予約サービス「えきねっと」を利用すると、指定券を予約する段階では駅に行く必要がないので、便利です。ただし、指定席券・普通列車用グリーン券にはネット限定の割引料金はなく、料金は駅で購入する場合と同額です。
JR東日本管内の観光列車は「のってたのしい列車」と呼ばれており、「えきねっと」には専用の予約メニューがあります。
通常の検索画面を使用する方法
発駅と着駅を入力する通常の検索画面から「ひなび」の各列車を検索する場合、検索オプションにある「乗り換えなし(直通列車のみで検索)」のチェックを入れると「ひなび」が確実に表示されます。

通常の検索を行えば、普通車とグリーン車が同時に表示されます。普通車は列車名がそのままで、グリーン車は列車名の後に「BOX」と表示されるので、各設備の区別が容易です。

「のってたのしい列車」メニューを使用する方法
通常の検索画面を使用するにはややコツが必要なので、トップページにある「のってたのしい列車」のリンクから「ひなび」の予約画面に進むと、とても楽です。

プルダウンリストが表示されたら、行先に応じた列車名と下り・上りの別を選択します。グリーン車と普通車は別の列車扱いとなっており、普通車は「グリーン車」の表示がない方を選択します。

リストから列車名・設備を選択すると、検索画面に駅名が表示されています。乗車日と人数を入力してから検索を行うと、空席状況が表示されます。

「えきねっと」を利用して座席を予約した場合、乗車前に駅できっぷの受け取りが必要です(チケットレスを選択した場合は受け取り不要)。原則として、JR東日本管内の各駅で受け取ることに留意しましょう。
全国のJR駅・JR券を取り扱う旅行会社で購入する方法
「えきねっと」を利用しない場合、みどりの窓口か指定席券売機が設置された全国のJR駅やJR券を取り扱う各旅行会社でも「ひなび」の指定券を購入できます。
「大人の休日俱楽部」や「ジパング倶楽部」の会員には運賃・料金の割引が適用されますが、ネットでの購入が難しいです。
サポートが必要な場合、駅を利用しましょう。
指定券の様式(普通列車用グリーン券)
指定席券・普通列車用グリーン券を駅で購入した場合や、「えきねっと」で予約する際に「割引なし」を選択した場合は、紙のきっぷを受け取ります。
購入後発行される指定券(本例は普通列車用グリーン券)は、以下の様式です。

「うけとりっぷ」について
JR東日本にはスマートフォンを利用した「うけとりっぷ」というシステムがあり、沿線の弁当やスイーツを事前注文で購入できます。

「ひなび」も、このサービスの利用対象です。「ひなび釜石」下り列車であれば、盛岡駅と遠野駅で積み込まれる弁当を事前に注文できます。
ただし、購入を完了する前のハードルが高めです。購入期限(手仕舞)が乗車5日前と早く、システムを利用するためのIDの登録も煩雑です。筆者もこのサービスを体験しようと思ったものの、ハードルの高さに負けてしまいました。
そのため、具体的な購入手順の説明は割愛します。

お待たせしました!盛岡駅から「ひなび釜石」号に乗車し、終点の釜石駅まで全区間乗車した際の様子を共有します!
「ひなび釜石」号下り列車乗車体験【グリーン車:2025年9月】
2025年9月、「ひなび釜石」号グリーン車に乗車する機会がありました。車内設備や発車してからの様子をお伝えします。
ひなび釜石号下り(8653D)
盛岡駅 10時40分発 → 釜石駅 13時24分着

車掌に頼めば、きっぷやメモ用紙等に押印してもらえるとのこと。きっぷにオリジナルデザインの入鋏印を押してもらいました。
盛岡駅から「ひなび釜石」号に乗車!
地元から早朝の新幹線に乗車し、盛岡駅へ入ったのは、9時30分でした。

休憩してから、在来線改札口へ。乗換改札がなくなったため、新幹線改札口を一旦出る形です。

在来線コンコースには、いろどり豊かな壁画が。

「ひなび釜石」号が発車するのは、在来線5番線ホーム。定刻30分前の10時10分にホームに降りたら、すでに先客が何名かちらほら。

10時18分に、列車が入線。思ったよりも早い入線でしたが、JR東日本管内の観光列車が概ね定刻20分前に乗車できることを考えると、標準的ではないかと。
車外の様子と車内を探訪
ここで、車外と車内の様子を写真でお伝えします。

HB-E300系の前面。スタイリッシュなデザインです。

2号車のエクステリア。「ひなび」のロゴが鮮やかで、見栄えがとてもいいです。行先標の発色もばっちり。

1号車のエクステリア。「盛岡色」と呼ばれる白色と赤色のツートンカラーが施されています。水引状の紐や花吹雪が配置されており、地域と地域を結ぶ列車であることがデザインから分かります。

1号車グリーン車の入口。グリーン車のマークが映えています。

入線からすぐにドアが開扉し、グリーン車の車内へ。

1号車車内のデッキ寄りには、荷物置き場と車内販売のワゴンスペースが。「うけとりっぷ」で注文した品物を、ここでピックアップします。

1号車の車内を進むと、2人用ボックスシートと1人用シートが。包まれ感がばっちり。

奥に進むと、2人用のボックスシートに加え、4名用のボックスシートが。指定券が席単位の発売なので相席になることがあり、実際に相席になっている様子を見て窮屈な感じがしました。

乗務員室の隣は、グリーン車の乗客のみが利用できる展望スペースが。ベンチが配置されていて、座りながら前面へのかぶりつきが可能です。

「ひなび」オリジナルのタペストリー。列車のコンセプト通りの温かさが伝わってきます。

「ひなび」オリジナルのグッズが置かれていますが非売品で、持ち帰ることができません。

1号車の展望スペースには、電源コンセントがあります。各座席やボックスには設置されておらず、共用です。

4名用ボックスシートには、大きなテーブルが配置されています。弁当を気兼ねなくいただけます。

2名用ボックスシート。2名ではもちろんのこと、1名で使ってもちょうどいいサイズです。

車外に向いた1名用シートが3席あります(7A・9A・11A)。空間が完全に分離しているため、プライベート感がばっちりです。まさに王様シートなので、1人であればこの席を取りたいです。

次に、2号車の車内を見てみましょう。デッキには多機能トイレがあります。1か所だけですが定員が少ないので十分でしょう。

デッキから2号車普通車車内を見たところ。シートモケットの色が橙色で、明るい感じです。

乗務員室寄りには、誰でも利用できる展望スペースが。1号車と違い、2号車の展望スペースにはベンチがありません。座る場所がないので、あまり落ち着きません。

展望スペースからデッキを見た様子。明るい車内です。
一路釜石駅へ
定刻の10時40分に、盛岡駅を発車。ほぼ満員の状態で、東北本線を進みました。

盛岡駅からしばらくの間、東北新幹線と並走。直線を疾走。

花巻駅で5分間停車。ここで進行方向が変わり、釜石線に入ります。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に因んで、釜石線は「銀河ドリームライン」とも呼ばれています。

花巻駅の駅名標。釜石線の各駅には、エスペラント語の愛称が付けられています。

花巻駅を発車した後、新花巻駅に停車。乗客がすべて乗車した状態で、一路遠野駅へ。(恐らく期間限定で)御朱印風のカードが配布されていたので1枚もらい、きっぷとあわせて入鋏印を押してもらいました。

遠野駅には、定刻の12時09分に到着。多くの乗客が、遠野駅で下車。21分間の停車時間があるので、駅構内を探索。

遠野駅の愛称は「フォルクローロ(民話)」と、イメージ通り。

改札口を一旦出て、駅舎を眺めました。とても美しいです。

いかにも遠野駅らしい歓迎の幕。

遠野駅を出発後、仙人峠越え。陸中大橋駅(岩手県釜石市)に到着する直前、眼下には釜石線の線路と国道283号線が。数分後には、そこを通るのです。

陸中大橋駅を発車し、進行方向右手を見ると、先ほど通ってきたばかりの線路が。見上げると、赤い鉄橋が見えます。

遅延なく、終点の釜石駅に到着。車内になかった乗車記念スタンプが、駅改札口手前にありました。
まとめ

岩手県と青森県のローカル線を走る観光列車が、JR東日本が運行する「ひなび(陽旅)」です。
「ぬくもりのあるゆったりとした旅」をしてもらうという列車のコンセプトが車内デザインに現れており、とても温かい雰囲気です。
「ひなび」は、釜石線・山田線・大湊線のいずれかを週替わりで走ります。「ひなび下北」号については、青い森鉄道線内のみの利用はできません。
列車の設備には普通車の他グリーン車があり、上質な空間を満喫できます。普通車(ひなび)とグリーン車(ひなびBOX)では予約上の列車名が異なるため、間違えないように注意したいです。
「ひなび」では、車内販売が利用できます。「うけとりっぷ」というスマートフォン用サービスを利用すれば、弁当やスイーツを購入し、車内で受け取れます。ただし、購入手順が複雑なのが難です。
この記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました!
参考資料
● 「のってたのしい列車」公式サイト「ひなび」(JR東日本)2025.10閲覧
● JR東日本ニュースリリース「北東北に新しい観光列車「ひなび」がデビューします」2022.11.22付
● JR東日本ニュースリリース「新しい観光列車「ひなび(陽旅)」車両概要について」2023.9.07付
● JR東日本ニュースリリース「「ひなび(陽旅)」2023年12月23日デビュー」2023.9.27付
当記事の改訂履歴
2025年10月07日:当サイト初稿
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