JR東日本と東武鉄道が火花を散らす?鉄道で日光・鬼怒川温泉へ行く方法・全ルートを徹底解説【2025-26年版】

JR日光線普通列車日光駅にて 乗り鉄(鉄道旅行)

栃木県日光市にある一大観光地、日光・鬼怒川温泉。徳川家に縁のある日光東照宮は古くから多くの観光客を惹きつけ、世界遺産に登録されてからは外国人も大勢訪問するようになりました。

日光・鬼怒川温泉へ向かうための交通手段として第一選択となるのが、鉄道です。日光には、東武鉄道とJR東日本の2社が乗り入れています。かつては乗客の奪い合いでしのぎを削っていましたが、現在は両社が協調し、直通特急列車が走るほどです。

鉄道アクセスとして優位に立っているのは東武鉄道ですが、JRも一定の役割を担っています。特急列車の他、普通列車で移動することも考えられますが、所要時間や運賃・料金がどの程度であるか気になるのではないでしょうか。

東武日光線の普通列車を利用すれば旅費を最低限に抑えられますが、車両の快適性が劣るので一概におススメできるわけではありません。遠方から直接日光を訪れる場合には、JR宇都宮駅接続でJR日光線を利用すると便利です。

この記事では、日光・鬼怒川温泉への鉄道アクセスについて、徹底的に深掘りします。東武鉄道が優位に立った経緯を解説してから、両社の特急列車・普通列車それぞれの乗車パターンを詳しく見ていきましょう。

この記事から分かること
  • 東武特急(浅草駅・北千住駅発着)がコスパ面から第一選択であること
  • 栗橋駅で上野東京ライン・湘南新宿ライン普通列車に接続していること
  • JR日光駅では「えきねっと」で購入した紙のきっぷを受け取れること

日光・鬼怒川温泉への公共交通機関

世界遺産日光の社寺

日光・鬼怒川温泉への観光客数が大きく伸びている中、交通アクセスがどうか気になります。最初に、日光・鬼怒川の観光事情について触れてから、どのような公共交通機関があるかお話しします。

大きく伸びている日光・鬼怒川の観光客数

日光の社寺として世界遺産に登録されている日光市街の中心部や、華厳の滝や中禅寺湖といった奥日光は、日光市内の主要な観光スポットです。

また、日光の奥座敷と言われている鬼怒川温泉には観光列車「SL大樹」が運行されており、近年注目されています。

日光市観光協会の統計によると、2024年の年間観光客数は1,019万人でした。日光の社寺が世界遺産に登録されてから観光客が増加し、東武鉄道が新型特急「スペーシアX」を運行してからは特に伸びが著しいです。

また、外国人のインバウンドも大きく伸びており、上記統計によれば外国人宿泊数が年間300万人弱です。

日光・鬼怒川への足は鉄道に限定されている

日光・鬼怒川にマイカーやツアーバスではない公共交通機関で向かう際、どのような交通手段が利用できるでしょうか。

現在、東京から日光への高速バスが運休中のため、公共交通機関では実質的に鉄道が唯一の選択肢となっています。観光客が多い日光への足としては、大量輸送機関としての鉄道が向いていると言えるでしょう。

日光に乗り入れている鉄道会社は、前述の通り東武鉄道とJR東日本です。それぞれ特急列車および普通列車を利用できますが、東武浅草駅(東武線)およびJR東京駅(JR線)からのおおよその所要時間と運賃・料金は下表の通りです。

交通手段乗車区間営業キロ最短所要時間運賃・料金備考
東武線特急列車浅草駅・東武日光駅135.5km1時間50分3,050円スペーシアX・通常期
JR・東武連絡特急新宿駅(栗橋駅)東武日光駅134.9km1時間55分4,090円通年同額
東武線普通列車浅草駅・東武日光駅135.5km3時間00分1,400円 
JR宇都宮線・東武日光線普通列車東京駅(栗橋駅)JR日光駅137.8km2時間55分1,990円栗橋駅乗り換え
東北新幹線・JR日光線東京駅(宇都宮駅)JR日光駅150.0km1時間40分5,680円普通車指定席・通常期
JR宇都宮線・JR日光線普通列車東京駅(宇都宮駅)JR日光駅150.0km2時間35分2,640円宇都宮駅乗り換え

このように、東京から日光への鉄道アクセスとしては、営業キロ・所要時間・金額のどの点を取っても東武鉄道が優れています

一方、JR宇都宮駅を経由し、JR日光線でJR日光駅に入るルートも、一定のユーザーにとっては利用価値があります。

これから、日光への鉄道アクセスを東武鉄道が制した経緯を見ていきたいと思います!

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日光をめぐる東武と旧国鉄のしのぎ合い

JR日光駅貴賓室入口

日光への鉄道アクセスに関しては、戦前から東武鉄道とJR東日本の前身である旧国鉄とが競い合っていました。優位に立とうとして、しのぎを削ったわけです。

東武鉄道では、戦前から東京・日光間の所要時間の短縮や、特急形電車の導入などが行われてきました。

戦後になり、国鉄側も上野駅から日光駅まで直通準急列車を走らせ、東武に対抗しました。

決定的だったのが、東武日光線に「デラックスロマンスカー」が導入されたことです。国鉄も先進的な車両を導入しましたが、東武の豪華車両には対抗できませんでした。

その結果、東武側が完全に勝利し、国鉄が宇都宮駅経由の直通列車からの撤退を余儀なくされました。

21世紀に入り、衝撃的なことが起こりました。JR宇都宮線と東武日光線が接続する栗橋駅に両線の渡り線を設け、直通特急列車を走らせたのです。2006年に直通特急列車「スペーシア日光」号や「きぬがわ」号の運行が始まり、現在に至ります。

かつて対立関係にあった東武とJR(国鉄)が協調するようになったことは、時代の変化を物語っています。

東武鉄道は日光の観光開発やインバウンドの誘致にコミットし、新型特急「スペーシアX」や観光列車「SL大樹」を開発しました。また、日光金谷ホテルやザ・リッツ・カールトンといった高級ホテルの運営に携わっています。そのことが、東武鉄道の日光に対する本気さを証明しているでしょう。

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東武日光駅とJR日光駅の位置関係

JR日光駅から東武日光駅を見渡す

東武線の列車は東武日光駅に到着し、JR線の列車はJR日光駅に到着します。これらの駅の位置関係は、どのようになっているのでしょうか。

JR日光駅から東武日光駅を見渡すことができるほど、互いの駅は近くにあります

東武日光駅

東武日光駅駅舎

東武日光駅は、日光市松原町に所在します。日光の社寺の入口である神橋までの距離は、約1.6kmです。

東武日光駅は多くのユーザーが利用する割に手狭で、常に混雑しています。きっぷうりばも混んでいて、購入には時間がかかります。駅近辺にカフェが少ないため、列車の待ち時間をどこで過ごすか、困る人が多いのではないでしょうか。

JR日光駅

JR日光駅駅舎

一方、JR日光駅は、日光市相生町に所在します。東武日光駅から約300m離れていて、徒歩では5分程度です。

世界遺産めぐりバスや奥日光方面のバスはJR日光駅が始発であるため、JR日光駅から乗車すると必ず座れます。

JR日光駅は小さな駅でありながら歴史があり、風格が感じられます。また、直営駅としてみどりの窓口が設置されており、JR東武連絡特急を含めてJR線のきっぷを購入できます。ネット予約サービス「えきねっと」で購入したきっぷをJR日光駅で受け取れることを知っておくと、実は心強いです。

それでは、日光・鬼怒川へ鉄道で向かうためのすべての経路を詳しく見ていきます!

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東武線を経由する鉄道アクセス

東武鉄道20000系電車エクステリア

東京から日光・鬼怒川を目指すにあたって第一選択となるのが、東武スカイツリーライン・日光線を走る特急列車や普通列車を利用して入る方法です。特急列車と普通列車の別に、考えられる乗り換えパターンを検討していきます。

東武線内各駅へのアクセス・位置関係

東武線については、山手線と接続する東京都心部の駅に乗り入れていないことが難点です。そのため、都内から東武線に乗車するには、浅草駅(東京都台東区)か北千住駅(東京都足立区)に出なければなりません。

千葉県東葛地区からは、東武スカイツリーラインと東武野田線が接続する春日部駅(埼玉県春日部市)を利用することも可能です。

これらの駅の位置関係は、下図の通りです。

東京から日光・鬼怒川への経路図

特急列車

東京から日光・鬼怒川を目指すのに最も便利な列車は、東武線内を走る東武特急です。

かつて走っていた豪華特急列車「デラックスロマンスカー」の思想は、現在走っているフラッグシップ「スペーシアX」に引き継がれていると言えるでしょう。

東武特急(東武線内を走る列車)

東武線内の特急列車は、浅草駅を発着しています。北千住駅や春日部駅(埼玉県春日部市)にも停車するため、これらの駅で他の列車に乗り換えることも可能です。

リバティけごん号東武日光駅にて

東武特急のラインナップは以下の通りで、運行車両や設備によって特急料金が異なります。

  • スペーシアX(N100系:東武日光駅・鬼怒川温泉駅ゆき)
  • リバティけごん(500系:東武日光駅ゆき)
  • リバティきぬ(500系:鬼怒川温泉駅ゆき)
  • けごん(100系:東武日光駅ゆき)
  • きぬ(100系:鬼怒川温泉駅ゆき)

これらの特急列車は全車指定席で、自由席はありません。乗車する前に乗車券および指定券(特急券)を購入しましょう。主要駅間の運賃および特急料金は、以下の通りです。

● 東武日光駅までの運賃・料金【通常期】

発駅営業キロ所要時間運賃スペーシアXリバティ・スペーシア
浅草駅135.5km1時間50分1,400円1,940円1,650円
北千住駅128.4km1時間40分1,400円1,940円1,650円
春日部駅100.2km1時間20分1,230円1,710円1,450円

● 鬼怒川温泉駅までの運賃・料金【通常期】

発駅営業キロ所要時間運賃スペーシアXリバティ・スペーシア
浅草駅140.8km2時間05分1,590円1,940円1,650円
北千住駅133.7km1時間55分1,400円1,940円1,650円
春日部駅105.5km1時間35分1,230円1,710円1,450円

上表中の運賃と、乗車する列車に応じた特急料金を加算すると、合計の金額を計算できます。

春日部駅から東武日光駅ゆき特急券

このきっぷは、東武日光駅ゆき特急「リバティけごん」号の特急券です。指定券なので、席番が記載されています。

乗車日によっては、繁忙期として特急料金が加算される場合があります。繁忙期の適用日カレンダーについては、姉妹サイト「デジきっぷナビ」上の記事をご覧ください。

JR各社と東武鉄道におけるシーズン別特急料金適用日カレンダー【2025年度版】ご自由にダウンロードいただけます!
JR各社の新幹線や在来線特急列車等の特急料金は、シーズンによって変動します。多くの旅行者で混雑するピークシーズンには料金が高くなり、反対に旅行者が少なくなるオフシーズンには料金が安くなるよう調整されるしくみです。JRの指定券に関する料金はシ...

スペーシアXの設備や料金・きっぷの買い方については、以下の記事をご一読ください。

東武特急「スペーシアX」料金・特急券の買い方を解説~おトクな設備はどれか?~【2025-26年版】
2023年7月、東武鉄道の特急列車に新しい仲間が増えました。それは、新造されたN100系車両で走る「スペーシアX(エックス)」です。新造車両にて新しい特急列車が走り始めたのは、1990年に先代の100系スペーシアが導入されて以来です。今まで...

東武線の特急券をネットで予約する方法は、以下の記事を参照してください。

東武鉄道の特急・ライナー列車をネットで予約するためのサービス4選〜あなたにとって最適なのはどれか?~
日光・鬼怒川や北関東地方の各地と東京を結ぶ東武鉄道には、予約が必要な多くの有料列車が走っています。それらの列車の指定券は、ネットで購入可能です。東武鉄道のネット予約サービスは複数あり、乗車する列車によって利用できるサービスが異なります。その...

東武・JR連絡特急

上述した東武線の駅へのアクセスの弱点をカバーするため、JR新宿駅(東京都新宿区)およびJR池袋駅(東京都豊島区)を発着するJR・東武連絡特急が1日当たり2往復運行されています(多客時には臨時列車が増発されます)。

特急日光号新宿駅にて

栗橋駅(埼玉県久喜市)までJR湘南新宿ラインを走り、その先東武日光線に乗り入れる形です。JR253系電車もしくは東武100系電車で運行されますが、運行車両や行先によって以下の列車名が付いています。東武線内の特急列車と異なり、どの車両であっても特急料金は同額です。

  • スペーシア日光(東武100系:東武日光駅ゆき)
  • スペーシアきぬがわ(東武100系:鬼怒川温泉駅ゆき)
  • 日光(JR253系:東武日光駅ゆき)
  • きぬがわ(JR253系:鬼怒川温泉駅ゆき)

これらの列車も全車指定席で、自由席はありません。東武線に乗り入れますがJRの特急列車の扱いで、乗車券や特急券はJR東日本管内の駅かネット予約サービス「えきねっと」を利用して購入します。主要駅間の特急料金および運賃は、以下の通りです。

● 東武日光駅・鬼怒川温泉駅までの運賃・料金【通年】

発駅営業キロ所要時間運賃特急料金
新宿駅134.9km1時間55分1,990円2,100円
池袋駅130.1km1時間50分1,860円2,100円
大宮駅107.5km1時間30分1,510円2,100円


上述した東武線内の特急列車と異なり、この列車に関しては運賃・料金が通年で同額です。

新宿駅から東武日光駅ゆき特急券

このきっぷは、特急「日光」号の特急券です。指定券なので、席番が記載されています。

JR東日本が外国人向けに発売している「JR East Pass」を持っている場合、追加料金なしでこの列車に乗車可能です。しかし「Japan Rail Pass」では東武線内の運賃・料金が含まれていないため、別途支払う必要があります(運賃1,000円+特急料金1,050円)。

この列車に関する詳しい情報を、以下の記事に記載しています。ぜひご一読ください。

JR・東武連絡特急「スペーシア日光・きぬがわ」きっぷの購入方法・料金・手売りきっぷ購入体験【2025-26年版】
栃木県の大観光地である日光・鬼怒川温泉と東京を結ぶ、東武特急。東武日光線を走る特急には、発着する駅によって、大きく分けて2つの系統があります。一つ目は、浅草駅(東京都台東区)から東武スカイツリーラインを経由し、東武日光駅・鬼怒川温泉駅(栃木...

普通列車

東武日光線普通列車下今市駅にて

特急料金を節約したい人にとっては、普通列車が頼みの綱です。また、ピークシーズンには上述した特急列車がすべて満席になる時があり、普通列車に乗車せざるを得ない場合があります。

ここでは、東武線普通列車で日光・鬼怒川へ向かう方法を詳しく検討します。

かつて東武線を走っていた直通快速列車は特急料金が不要なことで人気がありましたが、2016年に廃止されました。現在は、普通列車を乗り継いで終着駅を目指すことになります。

東武線内の列車を乗り継ぎ

浅草駅から普通列車のみで東武日光駅・鬼怒川温泉駅を目指すには、以下の列車に乗車します。南栗橋駅(埼玉県久喜市)以北の区間は、1時間に1本の運行頻度です。

  • 浅草駅・北千住駅間:普通(南栗橋駅まで区間急行の時間帯あり)
  • 北千住駅・南栗橋駅間:地下鉄半蔵門線直通急行
  • 南栗橋駅・東武日光駅間:普通(一部の列車は急行)

それぞれの駅で、乗り継ぎが必要です。鬼怒川温泉駅に向かうには、下今市駅(栃木県日光市)で別の普通列車に乗り継ぐ必要があります。

● 東武日光駅までの所要時間・運賃

発駅営業キロ最短所要時間運賃
浅草駅135.5km3時間00分1,400円
北千住駅128.4km2時間40分1,400円
春日部駅100.2km2時間10分1,230円

● 鬼怒川温泉駅までの所要時間・運賃

発駅営業キロ最短所要時間運賃
浅草駅140.8km3時間20分1,590円
北千住駅133.7km3時間00分1,400円
春日部駅105.5km2時間30分1,230円

栗橋駅でJR宇都宮線から東武日光線に乗り継ぎ

JR線の駅から浅草駅や北千住駅まで移動して東武線に乗り換えるのは、煩わしいものです。JR宇都宮線栗橋駅まで上野東京ラインおよび湘南新宿ライン普通列車で向かい、東武日光線普通列車に乗り換えるとスムーズです。

ただし、混雑時には座れない可能性があることを覚えておきたいです(始発駅の南栗橋駅で席が埋まってしまうため)。

乗車区間営業キロ所要時間JR運賃東武運賃備考
東京駅・栗橋駅・東武日光駅間137.8km2時間55分990円1,000円上野東京ライン利用
新宿駅・栗橋駅・東武日光駅間134.9km2時間40分990円1,000円湘南新宿ライン利用
大宮駅・栗橋駅・東武日光駅間107.5km2時間10分510円1,000円 

栗橋駅接続となる場合、普通列車利用であってもJR線と東武線の連絡乗車券を購入できます。購入できるのは、JR東日本管内の駅か東武線内の駅です。

東京駅から東武日光駅ゆき普通乗車券

学割や障害者割引など、100km超えで割引が適用される場合には、連絡乗車券(両社にまたがる全区間を通しで買える乗車券)の購入を検討しましょう。

普通列車の車内の様子

普通列車に乗車する場合には運賃のみで済むため、非常に経済的に移動できます。しかし、普通列車の車両に設置されているのはロングシートで、トイレは設置されていません。快適性が保たれているとは言えず、長距離を普通列車で移動するには一定の体力が必要です。

東武鉄道20000系電車車内

東武スカイツリーライン南栗橋駅以北の全区間に導入されているのは、20000系電車4両編成です。車両の設備が簡素かつワンマン運転であり、運行コストは最低限に抑えられています。

ご覧のように、全席ロングシートの車内は快適とは言えません。長時間乗車するには、それなりの覚悟が必要です。

JR日光線を経由する鉄道アクセス

東北新幹線と在来線のJR宇都宮線が乗り入れるJR宇都宮駅からJR日光線に乗車し、JR日光駅を目指すことも可能です。ここでは、その詳細を詳しく見ていきたいと思います。

東北新幹線

新幹線E5系宇都宮駅にて

東京駅・上野駅から宇都宮駅に向かうには、東北新幹線を利用すると時間を大きく節約できます。また、東京駅以遠の東海道新幹線各駅から宇都宮駅を目指すには、東京駅で新幹線に乗り継ぐと便利です。

宇都宮駅には、1時間当たり3本の列車が停車します。新幹線には指定席の他、自由席も設定されているため、都合に応じて選択可能です。

宇都宮駅でJR日光線普通列車に乗り継いだ場合の主要駅からJR日光駅までの所要時間と運賃・料金は、下表の通りです(普通車指定席・通常期)。

乗車区間営業キロ所要時間運賃料金
東京駅・宇都宮駅・日光駅間150.0km1時間40分2,640円3,040円
大宮駅・宇都宮駅・日光駅間119.7km1時間15分2,310円2,400円
仙台駅・宇都宮駅・日光駅間282.8km2時間00分5,170円4,060円

普通列車(JR宇都宮線)

湘南新宿ライン普通列車宇都宮駅にて

東京駅や新宿駅など、東京都心部の主要な駅から宇都宮駅までは、上野東京ラインおよび湘南新宿ラインの普通列車が走っています。時間はあるけど新幹線特急料金の負担を避けたい人にとっては、普通列車の旅が向いているでしょう。

宇都宮駅までは、上野東京ラインの普通列車が1時間当たり1本、湘南新宿ラインの普通・快速列車が1時間当たり2本運行されています。15両編成の車両が宇都宮駅までそのまま走るため、座れる確率が高いです。

東北新幹線で宇都宮駅に着いた場合と同様、JR日光線普通列車に乗り継ぎます。普通列車だけでJR日光駅に向かった場合の所要時間と運賃は、以下の通りです。

乗車区間営業キロ所要時間運賃備考
東京駅・宇都宮駅・日光駅間150.0km2時間35分2,640円上野東京ライン利用
新宿駅・宇都宮駅・日光駅間147.1km2時間30分2,640円湘南新宿ライン利用
大宮駅・宇都宮駅・日光駅間119.7km2時間00分2,310円 

JR日光線普通列車の様子

JR日光線普通列車宇都宮駅にて

宇都宮駅からJR日光駅までの区間を結ぶJR日光線は、運賃計算上「地方交通線」の扱いとなるローカル線です(運賃設定が他線区より割高)。しかし、全線で電化され、主要駅には駅員が配置されている点ではスペックが高いです。

JR日光線は地元の通勤通学客のローカル輸送に特化しており、普通列車のみが運行されています。全区間を結ぶ普通列車の運行頻度は、1時間に1本です。

JR日光線の普通列車には、E131系電車という新造車両が充当されています。この車両にはトイレが設置されており、安心です。

E131系電車車内

座席はロングシートで旅情は感じられませんが、思ったよりも乗り心地が良いと感じるのではないでしょうか。

地元向けに特化しているJR日光線ですが、「Japan Rail Pass」を利用する多くの外国人がJR日光線に殺到します。時間帯によっては座席が外国人観光客で埋まってしまい、地元の乗客が立っているという光景が見られますが、筆者もその状況に遭遇しました。

JR日光線から鬼怒川温泉を目指すには

JR今市駅駅舎

宇都宮駅からJR日光線を利用して鬼怒川温泉に向かいたい場合、JR今市駅で下車し、東武下今市駅まで移動して東武鬼怒川線に乗り継ぎます。

JR今市駅から東武下今市駅までは1km弱の道のりで、ゆっくり歩いても15分程度の距離です。

下今市駅入口

東京から鬼怒川温泉に向かうには、東武鉄道を利用するのが大原則です。しかし、宇都宮駅を経由しなければならない場合における代替経路として十分に活用できることを、押さえておきたいです。

まとめ

東武鉄道20000系電車東武日光駅にて

栃木県の一大観光地、日光・鬼怒川への公共交通手段は、実質的に鉄道一択です。東武鉄道およびJR東日本(旧国鉄)が日光に乗り入れていますが、両者にはかつて主導権争いがありました。

東武鉄道はかつて、鉄道の整備のみならず、観光開発も一体的に進めました。一方、旧国鉄は観光開発にはコミットせず、輸送に徹する形でした。結局、所要時間と料金の両面で東武鉄道が勝ち、JR日光線は補助的な交通手段となっています。

東京から日光・鬼怒川まで向かうには、東武特急を利用するのが最も早く快適です。浅草駅・北千住駅から東武線内を走る特急列車の他、JR新宿駅・JR池袋駅から東武日光線に乗り入れる連絡特急列車を利用できます。

特急列車を利用しない場合、普通列車を利用する選択肢もあります。東武鉄道においては運賃水準が低廉であるため旅費を節約できる分、車両の快適さに劣る点を念頭に置きたいです。

「Japan Rail Pass」を所持する外国人や、遠隔地から日光・鬼怒川を訪れる場合、JR宇都宮駅まで入り、JR日光線に乗り継いだ方がよい場合があります。JR日光線には普通列車しか走っていないため快適性に劣るものの、ローカル線の風情を感じられることでしょう。

この記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました!

当記事の改訂履歴

2025年6月03日:当サイト初稿

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