JR磐越西線の西半分、会津若松駅から新津駅までの区間は「森と水とロマンの鉄道」と呼ばれています。その区間を走るJR東日本管内随一の観光列車が、「SLばんえつ物語」号です。
「貴婦人」とも呼ばれる蒸気機関車「C57 180」号機が、12系客車を牽引してゆっくり走ります。汽笛を聞きながら客車に乗車できるのは、非常に希少な体験ではないでしょうか。
大正ロマンあふれる「SLばんえつ物語」号には、ボックスシートの普通車と、リクライニングシートのグリーン車が連結されています。普通車では大正・昭和時代の汽車旅の風情を追体験できて、グリーン車ではかつての一等車のような優越感を満喫できます。
筆者もグリーン車に乗車する機会がありましたが、大正時代にタイムスリップしたようなレトロな汽車旅を楽しめました。

グリーン車の指定券を取るのはなかなか困難ですが、「えきねっと」の事前受付を活用することでチャンスが増します。実際に乗車すると、贅沢空間での極楽体験が待っています!
この記事では、「SLばんえつ物語」号に連結されている普通車およびグリーン車を、豊富な写真を用いてご紹介します。この列車の発着駅である新津駅と会津若松駅へのアクセスや、きっぷの準備方法についても詳しく解説します。
- 会津若松駅ゆきの上り列車の方が人気が高く、席が取りにくいこと
- 「えきねっと」の事前受付を利用するとグリーン券入手のチャンスが増すこと
- 東北新幹線・磐越西線・上越新幹線経由の周回乗車券を購入するとおトクなこと
「SLばんえつ物語」号の概要

JR東日本の看板列車といっても過言ではないSL列車「ばんえつ物語」号は、全車指定席の快速列車です。単に移動するための列車ではなく、この列車目当てにわざわざ訪れるような観光列車「のってたのしい列車」の一つです。
SLばんえつ物語がデビューした1999年以来、現在まで変わらぬ姿で走り続けています。
「SLばんえつ物語」が走る磐越西線とは
「SLばんえつ物語」号が走るJR磐越西線は、郡山駅(福島県郡山市)から新津駅(新潟市秋葉区)までの区間を結ぶ175.6kmの路線です。
郡山駅から会津若松駅(福島県会津若松市)までは、会津磐梯山を眺められる景勝区間です。その先終点の新津駅までの区間は「森と水とロマンの鉄道」として、阿賀川・阿賀野川に沿って森の中を走ります。区間によって車窓ががらっと変わるのが磐越西線の特徴であり、醍醐味です。
この列車は、かつて会津藩の拠点だった会津若松市と日本海随一の大都市である新潟市を結ぶ役割も担っています。
会津若松は福島県内でも有力な観光地で、鶴ヶ城や白虎隊、赤べこでよく知られています。また、新津駅には新津鉄道資料館があり、立ち寄ることも可能です。このように、起点と終点がともに観光地であるために観光客の移動が多く、観光列車の運行にふさわしい区間と言えます。
列車の運行区間・運行ダイヤ
「SLばんえつ物語」号は、磐越西線会津若松駅から喜多方駅(福島県喜多方市)を経て、新津駅までの111.0kmの区間を、約3時間半かけて走ります。
以前は、会津若松駅と新潟駅(新潟市中央区)を直結していました。しかし、新潟駅の高架化工事を契機に、運行区間が新津駅までに短縮されました。SLの整備拠点が新津駅にあるので、自然な形に落ち着いたと言えます。
この列車は通年運行ではなく、春先から晩秋にかけての土休日に、多客臨時列車として運行されます。冬場は運行されないので、注意してください。
列車の運行日には、一日当たり1往復2本が運行されます。午前中に新津駅を出発し、午後に入って会津若松駅に到着する列車と、午後に会津若松駅を出発し、日が暮れてから新津駅に到着する列車があります。運行時刻は毎年概ね同じですが、最新のダイヤは公式ホームページや時刻表を確認してください。
- 上り:
新津駅(10時03分発)→ 会津若松駅(13時36分着) - 下り:
会津若松駅(15時27分発)→ 新津駅(18時43分着)
蒸気機関車のメンテナンスのため、上り列車では途中津川駅(新潟県阿賀町)と山都駅(福島県喜多方市)で小休止し、下り列車では途中野沢駅(福島県西会津町)と津川駅で小休止します。
また、下り列車の新津駅ゆきでは、真夏以外の時期は道中日が暮れて、夜汽車の雰囲気を味わえます。ただし、新津駅の到着時刻が19時近くになり、同日中に首都圏に戻るのが旅程上ギリギリです。旅程の組みにくさから、下り列車は上り会津若松駅ゆきに比べて人気が劣り、指定券も取りやすい傾向にあります。
「SLばんえつ物語」号の編成・設備
快速列車の「SLばんえつ物語」号は、蒸気機関車「C57 180」号機が12系客車7両編成を牽引して走ります。客車が7両編成で残っている例は、現在日本でも数少ないのではないでしょうか。

7両編成のうち、1号車は「オコジョルーム」という名のキッズスペース、4号車は展望車です。5号車には車内販売のカウンターがあり、車両の半分を占めます。列車の編成に共用部分がこれほど多くあるのはこの列車の大きな特長で、人気を誇る要因でしょう。
座席の設備には、普通車とグリーン車の2種類があります。
普通車(2・3・5・6号車)

普通車指定席は、すべて4人掛けのボックスシートです。4両にまたがる普通車の定員は316名と、十分なキャパシティがあります。繁忙期でなければ、相席なしでゆったり座れる可能性があります。
グリーン車(7号車)

3列シートで、全席リクライニングシートです。人気がある上、定員がわずか30席に過ぎません。そのため、時期を問わず常に満席で、予約が非常に取りにくいです。
グリーン車がある7号車は電源車でもあるため(スロフ12-102)、人によっては床下にある発電機の音が気になるかもしれません。
客室の席番表
普通車とグリーン車では、座席のレイアウトが異なります。したがって、席番の付け方がまったく違うことに留意してください。
普通車
一つのボックスシートに、A席からD席があります。窓側はA席およびD席、通路側はB席およびC席です。新潟県内で阿賀野川を望めるのは偶数番のボックスで、眺めがよいと思います。
(2・3・6号車)

(5号車)

グリーン車
1人掛けの座席がA席で、2人掛けの座席がB席およびC席です。南側が窓際のA席、北側が窓側のC席です。新潟県内で阿賀野川を望めるのはA席側です。

乗車前に押さえておきたい情報源
JR東日本「のってたのしい列車」の公式ウェブサイトには、必要な情報が分かりやすく掲載されています。この列車の運行日や運行時刻を確認できるので、乗車したいと思ったらまず参照しましょう。
ただし、ユーザー目線の情報発信ではないため、必要な情報をすべて得られるとは限りません。当記事を参考にしていただければ、幸いです。
会津若松駅および新津駅へのアクセス
「SLばんえつ物語」号が発着する会津若松駅および新津駅には、首都圏からダイレクトに行くことができません。両駅とも新幹線の停車駅から離れたところにあるため、両駅へのアクセスについて詳しく解説したいと思います。
会津若松駅へのアクセス
首都圏から会津若松駅に向かう交通手段には、王道はありません。鉄道で向かう場合、以下の2経路が考えられます。
● 東北新幹線に乗車し、郡山駅から磐越西線に乗り継ぐ方法
● 東武特急「リバティ会津」号に乗車し、会津田島駅(福島県南会津町)を経て、会津鉄道線に乗り継ぐ方法
いずれの経路をとっても直通列車がないため、所要時間には大きな差がありません。料金的には、東武特急リバティ号を利用した方が随分安いです。
新津駅へのアクセス
新津駅に向かうには、上越新幹線長岡駅(新潟県長岡市)もしくは新潟駅から、信越本線普通列車に乗り継ぎます。長岡駅からは約55分、新潟駅からは約20分かかります。
東京から日帰りで「SLばんえつ物語」号に乗車するモデル旅程
ゆきとかえりに東北新幹線と上越新幹線を利用することで、東京からの日帰りが可能です。時計回りの経路(上り会津若松駅ゆき)と反時計回りの経路(下り新津駅ゆき)のそれぞれの旅程は、以下の通りです。
時計回りの経路

駅名 | 時刻 | 列車名 | |
東京駅 | 発 | 07時04分 | |
↓ | とき303号 | ||
新潟駅 | 着 | 08時56分 | |
発 | 09時20分 | ||
↓ | 普通2526D | ||
新津駅 | 着 | 09時41分 | |
発 | 10時03分 | ||
↓ | SLばんえつ物語(上り) | ||
会津若松駅 | 着 | 13時36分 | |
発 | 14時20分 | ||
↓ | 普通1232M | ||
郡山駅 | 着 | 15時36分 | |
発 | 16時06分 | ||
↓ | やまびこ60号 | ||
東京駅 | 着 | 17時24分 |
反時計回りの経路

駅名 | 時刻 | 列車名 | |
東京駅 | 発 | 11時36分 | |
↓ | やまびこ59号 | ||
郡山駅 | 着 | 12時56分 | |
発 | 13時15分 | ||
↓ | 普通1229M | ||
会津若松駅 | 着 | 14時31分 | |
発 | 15時27分 | ||
↓ | SLばんえつ物語(下り) | ||
新津駅 | 着 | 18時43分 | |
発 | 18時57分 | ||
↓ | 普通2557M | ||
新潟駅 | 着 | 19時16分 | |
発 | 19時42分 | ||
↓ | とき342号 | ||
東京駅 | 着 | 21時52分 |
「SLばんえつ物語」号の運賃・料金

「SLばんえつ物語」号に乗車するためには、旅行商品を購入するのではなく、きっぷ(乗車券および指定席券・普通列車用グリーン券)を準備します。旅行商品と違い、きっぷさえ入手できれば誰でも乗車できます。
きっぷの買い方については後述しますが、駅で購入する場合の値段と、ネット予約サービスで購入する場合の値段には、差がありません。
指定券の値段
「SLばんえつ物語」号には普通車とグリーン車の設備があり、それぞれ金額が異なります。消費税の転嫁を除いて長らく料金には変更がありませんでしたが、2023年10月にシンプルな料金体系に見直されました。
- 指定席券(普通車):
大人840円・小児420円(乗車区間にかかわらず同額) - 普通列車用グリーン券(グリーン車):
大人・小児2,000円(全区間乗車した場合の金額)
乗車券の値段
期間限定で発売される「青春18きっぷ」や「大人の休日俱楽部パス」、通年で利用できる外国人用「Japan Rail Pass」等のフリーきっぷを使用できる場合を除き、指定券とは別に、普通乗車券を購入します。この列車の乗車券として最適だった「週末パス」は、残念ながら2025年6月をもって発売が終了となりました。
青春18きっぷを使用する場合、乗車できるのは普通車のみです。その他のフリーきっぷでは、グリーン車に乗車する場合に乗車券として利用できます。
この列車の走行区間のみで普通乗車券を購入する場合、会津若松駅から新津駅までの運賃は、大人1,980円・小児990円です(営業キロ111.0km)。
旅程全体で1枚の普通乗車券を作り、その一部に会津若松駅・新津駅間を含めるのも、いいアイデアです。例えば東京駅から東北新幹線、磐越西線、上越新幹線を経由し、大宮駅まで戻る周回経路の普通乗車券を購入できます。その場合の経路と値段は、次の通りです。

- 1枚目:東京都区内→大宮駅(721.1km)10,670円
- 2枚目:大宮駅→東京駅(30.3km)490円
連続乗車券1組として購入しても、片道乗車券2枚として購入しても問題ありません。
指定券の値段が引き上げられたとは言え、大衆価格であることに違いはありません。きっぷがあれば誰でも乗車できるのは、ありがたいことです。
「SLばんえつ物語」号の予約方法・きっぷの購入方法

前述した通り、「SLばんえつ物語」号に乗車するには、乗車券および指定席券(普通車用)・普通列車用グリーン券(グリーン車用)が必要です。ここでは、それらのきっぷの購入方法をご説明します。
きっぷの発売開始時期:いつから買えるか
指定券の発売開始時期は、他の列車と同様、乗車1か月前の午前10時00分です。ただし、きっぷを買う場所や手段により、実際に購入が可能な時刻が異なるので、要注意です。
「SLばんえつ物語」号の場合、普通車が発売開始時に即満席になることはあまり考えられません。しかし、グリーン車は人気があり、時期を問わず瞬殺です(特に上り列車)。グリーン車のきっぷを取りたい場合、発売開始前からプランニングしておくことが欠かせません。
きっぷの発売箇所:どこで買えるか
「SLばんえつ物語」号グリーン車の指定券を手配するにあたっては、発売開始時刻にシビアです。そのため、どの手段や場所できっぷを購入するかで、成否が決まります。
ネット予約サービス「えきねっと」
JR東日本のネット予約サービス「えきねっと」で、この列車の指定券を購入できます。予約時に駅に出向く必要がないので、最も楽です。
「えきねっと」では、指定席券・普通列車用グリーン券ともに紙のきっぷの他、チケットレス券を選択可能です。ただし、値段や席の取りにくさには差はありません。
指定券の発売開始は駅のみどりの窓口と同じで、乗車1か月前の午前10時00分です。
発売開始に先立っての事前受付の受付開始時間は、乗車1か月と7日前の午後14時00分です。ただし、事前受付=座席確保ではなく、手配の結果予約不成立の場合があることを覚えておきたいです。
事前受付にエントリーしても回答までタイムラグがあるため、発売開始時刻にも操作を行えると万全でしょう。
筆者が同じ日の上り列車と下り列車を同時に事前受付にかけた際、取れたのは下り新津駅ゆきのみでした。
JRの主要駅・JR券を取り扱う旅行会社
全国のJR駅の有人窓口(みどりの窓口)にて、指定券を対面販売で購入できます。
駅では、乗車1か月前の午前10時00分に発売が開始されます。駅窓口では、いわゆる「10時打ち」が効果的ですが、10時打ちを受け付けない駅が多くなりました。当日の受付手順が駅によって異なるので、ご自身で確認してください。
指定席券売機でも、発売開始時刻は同じです。
JR券を取り扱う全国の旅行会社でも駅の有人窓口に準じますが、前売りの開始時間に間に合わない可能性があります。

お待たせしました。新津駅ゆき下り「SLばんえつ物語」号のグリーン車を写真でお楽しみください!
「SLばんえつ物語」号の車内探訪
2015年11月に初めてSLばんえつ物語号(上り)に新潟駅から乗車したのに引き続き、2023年9月には会津若松駅から下り列車に乗車する機会が得られました。
SLばんえつ物語号 下り(8233レ):
会津若松駅 15時27分発 → 新津駅着 18時43分着

2022年8月に発生した大雨災害で磐越西線喜多方駅・山都駅間で不通になり、この列車も長期間運休しました。約1年後の2023年7月末に当該区間が復旧し、「SLばんえつ物語」号も運行が再開となりました。
運行が再開されたタイミングを見計らって、2023年9月に再度乗車する機会が得られたわけです。

会津若松駅には、郡山駅からの磐越西線の普通列車で、14時17分に到着しました。「SLばんえつ物語」号用の12系客車がすでに会津若松駅構内に留置されていました。

15時少し前に、列車が発車する2番線ホームへ。客車が留置されていた場所に、蒸気機関車C57が連結されていました。

その後、1号車を先頭に列車が入線してきました。発車15分前の15時12分にドアが開き、車内に入りました。
エクステリア(車両の外観)

蒸気機関車の「C57 180」号機。「貴婦人」と呼ばれ、ビジュアルが優雅です。2023年で77歳になる機関車のヘッドマークには、77歳を意味する「喜寿」と書かれていました。

車体は、濃いグレーと茶色のツートンカラーです。SLばんえつ物語号のオリジナルロゴとキャラクターのオコジロウのエンブレムが描かれています。

行先表示は、車両によってサボか幕です。これは、サボです。

本来幕である部分には、行先を表示したステッカーが貼ってあります。

5号車の売店にあたる部分には、列車のロゴが大きく描かれています。

4号車展望車の窓は、ハイルーフ型で天井が高いタイプです。
インテリア(車内の内装)
座席がある車両と共用部分がある車両と、バリエーションが豊富です。
グリーン車(7号車)

グリーン車の車内に入るには、乗務員室の横を通ります。自動ドアは開きにくいです(天面にセンサーがあるのに気づきにくいです)。

下り新津駅ゆきの場合、車内に入ると座席の背面が見えます。バックシェル型の座席に見えますが、単に木板が付いているだけで、リクライニングした分だけ座面が後ろに倒れるタイプです。

2列シートです。ひじ掛けに小さなテーブルが収納されています。

こちらは、1列シートです。

展望スペースです。ベンチに座ることができます。新津駅ゆきの場合、蒸気機関車の直後に位置するため、機関車の迫力を間近で味わえます。

展望スペースの客室側には展示用のショーケースがあります。
普通車

背もたれが高いタイプのボックスシートは、昔ながらの4人掛けの座席です。車内を見渡すと真鍮の装飾やレトロな照明が見られ、大正ロマンが感じられます。小さなテーブルが窓際にあるだけで、弁当を広げにくいです。
売店(5号車)

ワゴン車での車内販売がないので、5号車にある販売カウンターに出向きます。SLばんえつ物語号のオリジナルグッズや軽食、アルコール飲料などを買うことができます。
展望車(4号車)

ワイドビューの窓が付いています。腰掛けることができるバーがありますが、あまり快適とは言えません。

スタンプ台や郵便ポストがあります。実際に投函でき、列車に乗車した日の消印が押されます。
オコジョルーム(1号車)

1号車には、「オコジョルーム」という名のキッズスペースがあります。入口から中に入ると、遊具が見えてきます。塗り絵や折り紙が置いてあって、長時間の乗車にも飽きないように配慮されています。

展望スペースです。小さいながら、ベンチには座れます。

記念写真を撮れるボードもあります。
会津若松駅から下り「SLばんえつ物語」号に乗車!

急ぎ足で車両探訪をし終えたところで、グリーン車に戻りました。ドアの脇に表示されたグリーン車の表示が目を惹きます。
車掌は通常3名体制で乗務しているそうですが、この日は4名乗務していました。それに加え、オコジョルームには、スタッフが2名乗務しているとのことです。また、蒸気機関車の運転要員が数名乗務していて、列車の運行にあたっています。自動化が進む鉄道業界にあって、人によるサービスを体験できるのは貴重です。

定刻の15時27分に会津若松駅を発車し、ゆっくりと加速していきます。この日のグリーン車にはミドル層やシニア層が多く乗車していて、落ち着いた雰囲気でした。
「SLばんえつ物語」号はむしろファミリー向けの列車に思えますが、2015年に乗車した時も含めて、子供連れのファミリーが意外なことに少なかったです。
この現象は、グリーン車が青春18きっぷの対象外である一方、大人の休日パスの利用期間に当たったことも要因だと考えられます。指定席の発売が瞬殺だったにもかかわらず、実際には空席が目立ちました。直前でキャンセルされた席でしょうか。

喜多方駅を過ぎ、復旧されたばかりの濁川橋梁を渡りました。

野沢駅では蒸気機関車のメンテナンスのため、約10分間停車。駅ホームではスタッフが記念撮影用のボードを持っていて、撮影の対応をしてもらえます。

機関車の車輪を点検している様子です。

C57 180号機の銘板。三菱製です。

福島県から新潟県に入り、津川駅でも10分強の停車。

運行要員が集まっていました。機関車の上では石炭をくべている様子がみられました。

津川駅を発車し、一路終点の新津駅へ。日没の時刻を過ぎ、車窓は夜空に変わりました。車内の雰囲気も、日中とはガラッと変わります。

定刻の18時47分に、終点の新津駅に到着。

長い道中を走り切った機関車。夜汽車の雰囲気がこれまたステキです。
まとめ

1999年にデビューして以来、20数年磐越西線を走り続けている「SLばんえつ物語」号。JR東日本の観光列車「のってたのしい列車」の一つですが、客車に乗車できる数少ない列車です。客室だけでなく、共用部分も充実しており、客車の優雅さを満喫できます。
この列車は言うまでもなく人気列車ですが、特にグリーン車の人気が高く、指定券が取りにくいです。なるべく早いタイミングで旅程を立て、乗車1か月前の午前10時の発売開始に合わせて手配しましょう。
普通車用の指定席券が大人840円なのに対し、普通列車用グリーン券は1枚2,000円です。普通車より高額とは言え、観光列車のきっぷとしては十分にリーズナブルと言えるでしょう。両者の乗り心地には大きな差があるので、是非グリーン車の乗車体験を味わっていただきたいです。
少し心配なのは、長期間走り続けている車体に老朽化が見られる点です。客室はともかく、共用部分の古さが目立ちます。
車内では売店にて軽食やドリンクを買うことができますが、弁当などの食事は手に入りません。新潟駅や会津若松駅にあるコンビニであらかじめ食料を調達することをおススメします。
この記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました!
参考資料
● のってたのしい列車ポータル SLばんえつ物語(JR東日本)2025.8閲覧
当記事の改訂履歴
2025年8月07日:当サイト初稿(リニューアル)
2023年9月14日:前サイト第2稿
2015年10月12日:前サイト初稿(原文作成)
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