群馬県内を走る臨時快速列車「SLぐんま」号を目当てに、毎年夏休みや連休になると多くの鉄道ファンが集まります。
蒸気機関車のD51-498号機とC61-20号機が、長年にわたって牽引機として活躍しています。それに加え、長年活躍してきた電気機関車(EL)にかわる新たな牽引機として、新型作業車のGV-E197系が2025年7月に仲間入りしました。
昭和時代を偲ぶ青い12系客車と、令和の時代に誕生したばかりの黄色いGV-E197系とのコントラストが対照的で、今後も多くの人を惹きつけるでしょう。
列車の終着駅である上越線水上駅では蒸気機関車の転車台体験や日帰り温泉、信越本線横川駅ではかつての横軽区間を偲ばせるスポットや峠の釜めしが待っています。

GV-E197系2両が牽引する「GV・SLぐんま横川・桐生」号には、編成長の関係で客車が3両しか連結されません。予約が取りにくいため、乗車1か月前に指定席券を押さえましょう。
この記事では、今や貴重なSL列車「SLぐんま」号に関する運賃・料金や予約の取り方について、丁寧に解説します。これらの列車に乗車した際の体験はもちろん、水上駅や横川駅における体験についても、余すところなくご紹介できればと思います。
- 指定席券(紙のきっぷ)とチケットレス指定席券が同額で、選択可能なこと
- 広島県にも同名の横川駅があるため、群馬県の横川駅(信越本線)を選択すること
- 水上駅での転車台体験を楽しむには、駅到着後すぐに転車台に向かうこと
首都圏を走る貴重な「SLぐんま」号~概要・運行区間~

首都圏各地で運行されているSL列車のうち、JR東日本が運行するのが「SLぐんま」号です。JRが現在運行するSL列車は、この他に「SLばんえつ物語」やJR西日本が運行する「SLやまぐち」号などがあります。
今や貴重な「SLぐんま」号には、目的地によって以下の3系統があります。
- SLぐんま水上号
- GV・SLぐんま横川号
- SL・GVぐんま桐生号

「SLぐんま水上」号

群馬県内の拠点駅、高崎駅(群馬県高崎市)から上越線水上駅(群馬県みなかみ町)までの59.1kmを約2時間かけて力強く走るのが、「SLぐんま水上」号です。
終点の水上駅では機関車の進行方向を転換する転車台が稼働しているため、補助機関車なしにD51-498号機もしくはC61-20号機が5両の客車を牽引します。
水上駅の駅チカには水上温泉郷があり、宿泊や日帰り温泉を楽しめます。また、谷川岳の最寄りとなる土合駅や湯檜曽ループを訪れるための拠点が、水上駅です。
「SLぐんま水上」号は、「SLぐんま」号の中でも転車台での転換作業を見学できる唯一の列車です。
「GV・SLぐんま横川」号

「GV・SLぐんま横川」号は、高崎駅から信越本線横川駅(群馬県安中市)までの29.7kmを約1時間かけてゆっくりと走ります。
この列車の終着駅である横川駅は行き止まりの構造であるため、機関車の向きを転換する施設がありません。そのため、横川駅方に作業車のGV-E197系、高崎駅方に蒸気機関車がそれぞれ連結されています。
横川駅の駅チカには「碓氷峠鉄道文化むら」があり、多くの機関車が保存されている様子が見られます。かつての横軽区間であった「アプトの路」や、峠の釜めしで有名な「おぎのやドライブイン」は、横川駅が最寄りです。
横川駅から軽井沢駅(長野県軽井沢町)までJRバス関東の路線バスが運行されており、このバスに乗り継いで長野県方面に向かうことができます。
「GV・SLぐんま桐生」号
比較的最近になってから運行されるようになったのが、両毛線桐生駅(群馬県桐生市)に乗り入れる「GV・SLぐんま桐生」号です。高崎駅を出発し、上越線新前橋駅(群馬県前橋市)から両毛線に入り、桐生駅に到着するまでの38.8kmを概ね2時間で走ります。
桐生駅も横川駅と同様、機関車の向きを変える施設がないため、蒸気機関車とGV-E197系が併結されています。
「SLぐんま」号の車両

「SLぐんま」号は、機関車や作業車が客車を牽引して走る客車列車です。これらの車両はバラエティーに富んでおり、何回見ても飽きることがありません。
これから、この列車の運用に入る各車両の概要に関する説明に入ります。
蒸気機関車「D51-498」号機

「SLぐんま」号のメイン車両は、蒸気機関車「D51-498」号機です。通常は、この機関車が運用に充当されます。
1940年に鉄道省鷹取工場で落成後、各地で活躍しました。引退後は上越線後閑駅前(群馬県みなかみ町)で保存されていましたが、1988年にJR東日本が動態復元し、以降は高崎駅を拠点に臨時列車として運用されています。
蒸気機関車「C61-20」号機

サブ的な存在が、蒸気機関車「C61-20」号機です。メインの「D51-498」号機が充当されない場合に、補助的に運用に入ります。
1949年に三菱重工業で製造され、東北地方の特急・急行列車を牽引しました。引退後は群馬県伊勢崎市の公園に保存されていましたが、2011年にJR東日本が動態復元し、「SLぐんま」号や各地の臨時列車として活躍しています。
電気式気動車「GV-E197」系

蒸気機関車と並んで活躍していた電気機関車が老朽化したため、置き換えるために導入されたのが新型作業車「GV-E197系」です。
ディーゼルエンジンが搭載された電気式気動車で、新しい技術が採用されています。ステンレスの車体の先頭部が黄色で、非常に目立ちます。この車両の主な用途は、回送列車の牽引用です。この作業車が「SLぐんま」の運用に入るために、蒸気機関車と協調できるように特別な改造が施されました。
なお、この車両が牽引する列車の列車番号は「D」から始まります。
12系客車とレトロ客車について

この列車の運用に充当される客車には、昭和後期に製造された「12系客車」と、昔製造された「旧型客車」があります。
旧型客車には冷房装置が搭載されていないため、真夏には使用されません。春季および秋季に運用に入る様子が見られます。
一方、12系客車には冷房が搭載されていて、オールシーズンで活躍しています。したがって、旧型客車よりも12系客車にて運行されることが多いと言えるでしょう。
12系客車は、3両もしくは5両です。客車5両で運行される場合の座席定員は424人で、観光列車の定員としてはかなり多い方です。そのため、満席の状態では混雑が激しいと感じるのではないでしょうか。
「SLぐんま」号の編成・座席レイアウト・席番表
ここでは、これらの機関車・作業車や客車で構成される「SLぐんま」号の編成や座席についてご説明します。
列車の編成
「SLぐんま」号の編成は、蒸気機関車1両および作業車2両と、3両または5両の客車で成り立っています。
画像引用元:JR東日本ニュースリリース
SLとGVが連結されている編成のイメージは、こんな感じです。
「SLぐんま水上」号
「SLぐんま水上」号は、蒸気機関車1両と12系客車5両(もしくはレトロ客車)で構成されています。

「GV・SLぐんま横川・桐生」号
「GV・SLぐんま横川・桐生」号は、蒸気機関車1両とGV-E197系2両、12系客車3両(もしくはレトロ客車)で構成されています。

客車の座席レイアウト・席番表

12系客車、旧型客車とも、座席のレイアウトはすべて4人掛けのボックスシートです。各ボックスはゆったりした造りで、大人4人が座っても余裕があります。もともと急行型客車として作られた12系客車の良い点が現れています。

水上駅・横川駅ゆきの下り列車では、奇数番のボックス(例えば11番)が進行方向の右側、偶数番のボックスが進行方向の左側です。妙義山の眺めは、偶数番のボックスの方がいいです。

「SLぐんま」号がどのような列車か、あらましを理解できたところで、乗車するための具体的な情報の説明に入ります!
「SLぐんま」号の運行日・運行ダイヤ

「SLぐんま水上」号および「GV・SLぐんま横川・桐生」号が運行される日や、当日の運行ダイヤをご説明します。
運行日・運行ダイヤ
これらの列車は、夏休みや連休のピークシーズンに限って多客臨時列車として運行されます。後述する情報源を参照すると、正確な運行日を知ることが可能です。
運行日には1往復2本の列車が運行され、いずれの列車も高崎駅を午前中に出発し、夕方に帰着します。
「SLぐんま水上」号
駅名 | 時刻 | 列車名・列車番号 | |
高崎駅 | 発 | 09時56分 | |
↓ | SLぐんま水上(下り)8731レ | ||
水上駅 | 着 | 12時03分 | |
発 | 15時15分 | ||
↓ | SLぐんま水上(上り)8732レ | ||
高崎駅 | 着 | 17時14分 |
「GV・SLぐんま横川」号
下り列車はGVが先頭に位置するため、列車名が「GV・SL」で列車番号に「D」が付きます。上り列車はSLが先頭に位置し、列車名が「SL・GV」に変わります。
駅名 | 時刻 | 列車名・列車番号 | |
高崎駅 | 発 | 09時47分 | |
↓ | GV・SLぐんま横川 8137D | ||
横川駅 | 着 | 10時49分 | |
発 | 14時15分 | ||
↓ | SL・GVぐんま横川 8136レ | ||
高崎駅 | 着 | 15時18分 |
「GV・SLぐんま桐生」号
下り列車の列車名は「SL・GV」です。上り列車の列車名は「GV・SL」で始まり、列車番号に「D」が付きます。
駅名 | 時刻 | 列車名・列車番号 | |
高崎駅 | 発 | 09時47分 | |
↓ | SL・GVぐんま桐生 9431レ | ||
桐生駅 | 着 | 11時55分 | |
発 | 14時07分 | ||
↓ | GV・SLぐんま桐生 9432D | ||
高崎駅 | 着 | 16時04分 |
運行情報を知るための情報源
この列車の運行日や運行区間を正確に知るには、臨時列車の情報が掲載された大判の時刻表の他、JR東日本「のってたのしい列車」公式ウェブサイトを参照すると確実です。
当該公式ページの他に、同社のニュースリリースで発表される「臨時列車のお知らせ」を参照する方法もあります。
毎シーズン公表される「臨時列車のお知らせ」の参照方法については、以下の記事をぜひご一読ください。
「SLぐんま」号の運賃・料金

多客臨時列車「SLぐんま」号は全車指定席で、すべての車両が普通車です。乗車するには、乗車券の他に指定席券を購入します。
指定席券
指定席券は、乗車区間にかかわらず大人840円・小児420円です。シーズンによる価格変動はありません。
乗車券
普通乗車券の他、交通系ICカードや各種フリーきっぷが乗車券として利用可能です。
普通乗車券・交通系ICカード
実際に乗車する区間の普通乗車券を準備します。「SLぐんま」号の運行区間はすべてSuicaエリアに含まれるため、普通乗車券を買わずに交通系ICカードを使用しても大丈夫です。
この列車の運行区間のみの普通乗車券を購入する以外に、最寄りのJR駅からこの列車の終着駅までの普通乗車券を通しで購入しても差し支えありません。
「SLぐんま」号の各運行区間の片道普通運賃は、以下の通りです。
- 高崎駅・水上駅間:大人990円・小児490円
- 高崎駅・横川駅間:大人510円・小児250円
- 高崎駅・桐生駅間:大人680円・小児340円
筆者は、最寄りの大宮駅(さいたま市大宮区)から水上駅の1駅先の湯檜曽駅(群馬県みなかみ町)までの普通片道乗車券(大人2,310円・割引1,150円)を購入しました。

途中下車が可能な普通乗車券であれば、高崎駅などで改札口を出て食事や休憩を取れます。
フリーきっぷ
季節発売の「青春18きっぷ」や「北海道&東日本パス」など、この列車の運行区間を含むフリーきっぷを持っていれば、乗車券として使用できます。
また、群馬県全域の鉄道・路線バスに乗車可能の「ぐんまワンデーローカルパス」が、群馬県版MaaSの「GumMaaS(ぐんまーす)」というサイトでデジタルきっぷとして発売されています。1日乗り放題で大人2,500円・小児1,250円と廉価なので、使い方によってはおトクです。

3両編成で運行される横川号と桐生号は座席定員が少なく、指定席券の確保が難しい傾向にあります。一体、どうすればきっぷを取れるのでしょうか。
「SLぐんま」号の予約の取り方(きっぷの買い方)

「SLぐんま」号の座席は旅行商品として発売されているのではなく、きっぷを買えば誰でも乗車できます。その代わり、指定席券と乗車券を自力で購入しなければなりません。
ここでは、乗車区間によっては工夫が必要な「SLぐんま」号のきっぷの買い方をご説明します。
指定席券の発売開始時期(いつ買えるか)
発売開始時刻に購入するのが、人気が高い列車のきっぷを確実に入手するためのコツです。指定席券の発売開始時期は、以下の通りです。
乗車1か月前の午前10時00分
乗車1か月前に同じ日(応当日)がない場合、次の日が発売開始日になります。例えば、3月31日の指定券が発売開始になるのは、3月01日です(2月31日はないため)。
現在では、駅窓口、指定席券売機、「えきねっと」ともに、発売開始時刻は同じです。
ただし、後述するネット予約サービス「えきねっと」に限っては、乗車1か月7日前の14時00分から事前受付が始まります。座席が確約されるわけではありませんが、エントリーしておいても損はないでしょう。
指定席券・乗車券の発売箇所(どこで買えるか)
「SLぐんま」号のきっぷは、全国のJR駅およびJR券の取り扱いがある旅行会社で購入できます。この列車の予約を取り扱っているネット予約サービスは、「えきねっと」および「e5489」です(当記事では、「e5489」に関する説明を割愛します)。
駅の窓口・指定席券売機および旅行会社
駅や旅行会社では、紙のきっぷとして指定席券および乗車券を購入できます。
「SLぐんま」号が発着する駅を見てみると、みどりの窓口で対面購入できるのは、高崎駅のみです。水上駅や桐生駅には「話せる指定席券売機」が設置されていて、きっぷの買い方が分からなくてもオペレーターに相談できます。
問題は横川駅で、みどりの窓口も指定席券売機もありません。そのため、駅での指定券購入はできません。改札口には委託の駅員が日中常駐していますが、きっぷの発売を行っていないため、注意が必要です。
指定席券をあらかじめ他の駅で購入しておくか、「えきねっと」でチケットレス指定席券を非常手段として購入する対策を講じたいです。
ネット予約サービス「えきねっと」
駅にいなくてもきっぷを購入できるのが、ネット予約サービス「えきねっと」です。最終的には紙のきっぷを駅で受け取らなければならないものの、どこにいても指定券を予約購入できるため、便利です。
前述した事前受付を利用する場合、実際に座席の手配が行われるのは乗車1か月前の午前10時00分以降です。事前受付を済ませておけば、発売開始時における「10時打ち」に近い効果があります。
事前受付を済ませたからといって座席が確保されるわけではないので、注意しましょう。

「SLぐんま」号の指定席券を予約購入するには、「えきねっと」トップページの「のってたのしい列車」のリンクから予約ページに入ると分かりやすいでしょう。

検索画面から自分で駅名を入力する場合、横川駅の扱いに気を付けましょう。じつは、横川駅は、群馬県の他に広島県にもあります(山陽本線)。「横川(群馬県)」を選択してください。

車内で紙のきっぷの確認がある上、記念に残せるので、通常は紙のきっぷを買うとよいでしょう。上記画面では「割引なし」を選択すると紙のきっぷを購入できます。

「えきねっと」ではシートマップが表示され、自分で席番を選べます。
指定席券の様式
購入完了後受け取る指定席券の様式は、以下の通りです。
「SLぐんま水上」号

「GV・SLぐんま横川」号

「SL・GVぐんま横川」号


お待たせしました!それでは、「SLぐんま水上」号と「GV・SLぐんま横川」号に乗車した際の様子を写真でご覧ください!
「SLぐんま水上」号乗車体験【2025年夏】
2025年7月下旬の日曜日に「SLぐんま水上」号に乗車し、高崎駅・水上駅間を往復しました。当記事では、下り列車に乗車した際の様子を共有したいと思います。
SLぐんま水上号 下り(8731レ):
高崎駅 9時56分発 → 水上駅 12時03分着

メイン機関車のD51が折しも故障してしまったため、サブ機関車のC61が代走に入りました。この時はC61でありながらも、蒸気機関車が見られたのが幸いでした。

定刻30分前に、列車が発車する高崎駅2番線ホームへ。すでに、この列車に乗車する人々が集まり始めました。

9時36分に、列車が入線。蒸気機関車の先頭に乗務員2名がおり、物々しい感じです。

ドアが開く直前の客車。行先標には「水上」と表示されています。

定刻15分前の9時41分にドアが開き、車内へ。ボックスシートが並ぶ車内は、デビュー時から大きな改造が施されておらず、国鉄時代と変わらぬたたずまいです。

定刻に大きな汽笛を鳴らし、高崎駅を出発。駅長はじめ駅員総出でお見送り。

定刻から2分遅れの10時37分に、渋川駅に到着、20分間停車する間に、車外を散策することが可能です。

編成の最前部では、乗務員が機関車を点検しています。

編成の最後尾では、車端部が見られます。外観も国鉄時代のままで、昭和時代を追体験できます。

渋川駅を過ぎると関東平野が終わり、山間部に入ります。利根川橋梁のデザインが力強いです。

沼田駅に着く前にも、利根川の橋を渡ります。

沼田駅では、約8分間停車。ここでも、乗務員が機関車を点検。

定刻の12時03分に、水上駅に到着。改札口の近くでは、歓迎の幕が。
水上駅で転車台体験と日帰り温泉を楽しむ
水上駅では、約3時間滞在。転車台での機関車転回作業を見学し、日帰り温泉で汗を流しました。
水上駅での転車台体験
終点の水上駅で乗客を下ろすと、蒸気機関車は足早に転車台へ。写真撮影はほどほどに、筆者も駅の北側にある転車台に急ぎました。

12時20分に、機関車が後ろ向きで転車台に進入。

約8分間かけて、転車台を540度回転(1回転半の大サービス!)。

機関車の向きが180度変わり、転車台から退出。
水上温泉の中心街にある日帰り温泉施設へ
水上駅から約1.1km歩くと、水上温泉の中心部に至ります。駅周辺には何軒か日帰り入浴できる旅館がありますが、筆者は町営のふれあい交流館へ行きました。

ふれあい交流館にあるのは内湯のみで、露天風呂はありません。ただし、休憩を取れるスペースが広く、湯上がり後ゆっくり過ごせます。
この施設で1時間余り過ごし、水上駅に戻ったのが14時30分。水上駅での待ち時間を満喫できました。
「GV・SLぐんま横川」号乗車体験【2025年夏】
2025年8月の連休最終日に「GV・SLぐんま横川」号に乗車し、高崎駅・横川駅間を往復しました。当記事では、下り列車に乗車した際の様子をご覧いただきます。
GV・SLぐんま横川号 下り(8137D):
高崎駅 09時47分発 → 横川駅 10時49分着

この列車には本来蒸気機関車が連結されるのですが、この日はD51が故障しており、C61も検査で不在でした。そのため、新潟から急遽応援に駆けつけた電気機関車EF64-1031号機を目撃することになりました。

高崎駅2番線ホームに列車が入線したのが、定刻12分前の9時35分。黄色い先頭部のフォルムが、とても鮮やかです。

ドアが開き、車内に入れたのが、定刻5分前の9時42分。時間がかなりタイトです。

急いで編成の最後尾へ。本来は蒸気機関車がいるはずですが、この日はピンチヒッターのEF64-1031号機が。この機関車の引退も間近とか。

定刻の9時47分に、高崎駅を出発。浴衣を着た社員さんが、総出で見送ってくれました。

安中駅では、8分間停車。車外に出て先頭部につながったGVを見に行きましたが、華がなく質実剛健な印象。

定刻の10時49分に、終着の横川駅に到着。地元の高校生による太鼓の演奏が披露されていました。
横川駅で碓氷峠鉄道文化むら・横軽区間の廃線跡・峠の釜めしを楽しむ
横川駅でかえりの列車の出発を待つ間、ランチで峠の釜めしをいただき、碓氷峠鉄道文化むらの中を散策しました。
おぎのやドライブインで峠の釜めしをいただく
最初に腹ごしらえということで、おぎのやドライブインに直行。横川駅の駅チカで、徒歩5分程度の距離です。

国道18号線には大きな看板があり、古き良き時代のドライブインの雰囲気が漂ってきます。

ドライブインの建物は、非常に大きいです。セルフサービス式のレストランは1階にあります。

峠の釜めしが温かい状態で提供されるのが、ドライブインならではのメリットです。
碓氷峠鉄道文化むらを散策
食後、横川駅前にある碓氷峠鉄道文化むらへ。

かえりの列車待ちと思われる人々が、多く入場していました。

屋外展示スペースには、多くの機関車が静態保存されています。再整備すれば今にでも動き出しそうな車体ばかりです。
旧横川機関区の建物が、屋内展示スペースおよび売店として開放されています。
横軽廃線跡を歩く~アプトの路~
横川駅から旧熊ノ平駅までの約6kmの区間が、遊歩道として日中時間帯に開放されています。

めがね橋や丸山変電所跡がハイライトで、峠の湯(くつろぎの里)では、日帰りで入湯できます。
まとめ

蒸気機関車のD51-498号機とC61-20号機が客車を牽引する臨時列車「SLぐんま」号が、多客期に運行されています。2025年7月から、GV-E197系が牽引車として加わりました。
日によって、水上駅、横川駅、桐生駅のいずれかの駅に向かいます。運行スケジュールを公式ページで調べ、正確な運行日を把握した上で計画したいです。
この列車は、全車指定席の快速列車として運行されます。乗車券の他に指定席券を準備します。指定席券については、紙のきっぷとチケットレス指定席券が同額なので、紙のきっぷを選ぶとよいでしょう。
GV-E197系が牽引車として運用に入る列車には、客車が3両しか連結されません。新型車両なのでしばらくの間人気が続き、予約が取りにくいことが想定されます。乗車1か月前の10時に予約を取りたいです。
この記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました!
参考資料
● のってたのしい列車 ポータル SLぐんま(JR東日本)2025.8閲覧
● JR東日本ニュースリリース「夏の「SLぐんま」でGV-E197系デビュー!」2025.6.04付
当記事の改訂履歴
2025年8月15日:当サイト初稿(リニューアル)
2022年9月04日:前サイト初稿(原文作成)
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