障がいを持つ当事者が、ANAやJALといった各航空会社の国内線の航空便を利用する際、様々な配慮を受けられます。
最も分かりやすいのは、障害者手帳の所持者に対する航空券の割引ではないでしょうか。それに加え、空港や機内では障がいに応じたサポートが実施されています。
JALの国内線運賃には、2023年4月以降、混雑予測に応じた変動制運賃が採用されています。2026年5月には、ANAもJALに追随する形で変動制運賃を導入しました。障害者割引についても同様で、通常運賃から20%割引となる制度が2社横並びで実施されています。
しかし、航空券の発売条件や事前座席指定に関する両社の違いは割引額だけでは語れない大きな問題であり、決して見逃すことはできません。
また、搭乗当日にサポートを受けるために配慮事項を事前に連絡する体制についても、両社では異なります。連絡方法や当日サポートを受ける流れについても、しっかりと押さえたいところです。

ANAに関しては事前座席指定ができない運賃種別があり、同伴が必要な場合や混雑時に不利益を受ける可能性があります。障がいがあるという事情によって特別扱いされる事はないことを覚えておきたいです。
この記事では、障がいを持った当事者が「ANA」と「JAL」の国内線航空便を利用する際に知っておきたい、割引運賃の仕組みや搭乗当日のサポート(特に精神・発達障害)についてご説明します。
また、割引運賃の相場感を理解できるよう、東京・福岡間の航空運賃と鉄道運賃・料金を比較してみました。自分に合った航空会社がどちらであるかを見出す際、両社の体制を対比する形で説明する内容が参考になれば幸いです。
- 両社とも、障がい者割引運賃の金額が予約時期や便によって変動するようになったこと
- セール運賃を利用する場合でも、障がい配慮を求めることが可能であること
- JALの「スペシャルアシスタンス登録サービス」を利用すると障がいを登録できること
【要約】ANAとJALにおける運賃・障がい配慮の比較

日本国内を航空機で旅行する際、ANA(全日本空輸)やJAL(日本航空)のいずれかを利用すれば、大抵の主要都市に到達することが可能です。
日本国内で発行された障害者手帳を持つ当事者に対する両社のサポート体制の違いを要約すると、下表のようになります。
| 項目 | ANA | JAL |
| 運賃割引率 | 20%割引 | 20%割引 |
| 事前座席指定 | シンプルは不可 | 全運賃種別で可能 |
| 空港専用カウンター | あり | あり |
| 配慮内容の登録 | 不可(毎回連絡) | 可能 |
この表から明らかになる両社の違いは、運賃種別による事前座席指定の可否および配慮事項を登録する仕組みの有無です。
2026年5月の運賃種別の再編で誕生した「シンプル」については、オンラインチェックインが開始になるまで事前座席指定を行うことができません。介護者・付添人が同伴することが多い障害者割引運賃の利用者にとって、「シンプル」を選択するのはリスクが伴います。
JALが実施している「スペシャルアシスタンス登録サービス」を利用することで、障がいの状況や必要な配慮を登録しておくことが可能です。一度登録しておけば毎回連絡する必要がないため、大変便利です。
このように、障がいを持つ人にとって、サービスやサポート面ではJALが一歩リードしていると言えるでしょう。
日本国内線における航空運賃の障害者割引の実施状況

日本国内を運航する航空便に搭乗する際、日本の自治体が発行する各種障害者手帳を取得していれば、航空運賃の割引を受けられます。二大航空会社であるANAおよびJALをはじめ、LCC各社を除く航空会社が運航する便が運賃割引の対象です。
手帳による運賃割引の条件や内容は各航空会社によって異なりますが、ANAとJALにおいては現在横並びの状況です。
航空運賃の割引制度が拡充した背景として、日本が「障害者権利条約」を批准したことを契機にして、移動の自由を保障して当事者の社会参加を促進することが挙げられます。経済的な障壁を低くできる点で、航空運賃の割引制度には大きな意義があるのではないでしょうか。
当記事においては、ANAとJALに特化して運賃割引制度やサポート内容をご説明することをお断りします。その他の航空会社でも同等のサポートを受けられますが、詳細については各航空会社にご確認いただきたいです。
障害者手帳による国内線航空運賃割引の対象者

障害者手帳所持者に対して各航空会社が実施する運賃割引の特徴は、鉄道のように様々な適用条件を課す形ではなく、いずれかの手帳を所持すれば一律に運賃割引を受けられる点です。
- 身体障害者手帳
- 療育手帳(自治体によって名称が異なる)
- 精神障害者保健福祉手帳
身体障害者手帳と療育手帳所持者に対しては、従来から運賃割引が提供されてきましたが、精神障害者保健福祉手帳所持者に対しても2018年以降制度が拡大しました。
航空運賃の障害者割引においては、手帳に記載された障害等級や「旅客鉄道株式会社等旅客運賃減額欄」に記載された第一種・第二種での区別はありません。その点では、航空会社は障害者運賃割引に関して比較的寛容であると言えるでしょう。
手帳を所持する本人はもちろん、同伴する介護者・付添人1名も運賃割引の対象です(種別にかかわらず、本人と同じ割引率が適用される)。障がいによっては同伴が必須となる場合があるので、あらかじめ各航空会社の専門窓口に連絡するようにしましょう。
ANAとJALの運賃体系および障害者割引制度の違い

鉄道の場合、路線を運行する鉄道会社は一社独占です。そのため、鉄道会社ごとに運賃が異なることはありえません。しかし、航空便に関しては複数の航空会社による競争があり、運賃体系がそれぞれ異なります。
ANAとJALの両社とも、現在は混雑予測に基づいた変動制運賃を採用しています。障害者割引に関して、基本運賃額の20%を割引する点は共通です。しかし、ANAには事前座席指定を行えない運賃種別が生じたので、座席に関して配慮が必要な場合は細心の注意を払いたいです。
搭乗日や時間帯のみならず、航空券を購入するタイミングでも運賃額に大きな差が生じます。両社の運賃体系の違いを理解し、うまく使い分けることが、経済的に移動するための大きなポイントではないでしょうか。
ANA

従来は普通運賃、障がい者割引運賃ともに固定価格でしたが、2026年5月に運賃制度が変更されました。それに伴い、エコノミークラス(普通席)・ファーストクラス(プレミアムクラス)ともに、発売条件や制限に応じて3段階の運賃種別に再編されています。
| 運賃種別 | シンプル | スタンダード | フレックス |
| 発売期間 | 前日まで | 前日まで | 当日購入可 |
| 事前座席指定 | 不可 | 可(無料) | 可(無料) |
| 予約変更 | 不可 | 可(有料) | 可(無料) |
| 払いもどし(出発前) | 可(有料) | 可(有料) | 可(有料) |
運賃の障害者割引も、これらの運賃種別がベースになります。
シンプル
制限が最も厳しい代わりに運賃額が安いのが、出発前日まで購入が可能な「シンプル」です。不定期で発売される「セール」運賃の利用条件も、「シンプル」に準じます。
従来の障がい者割引運賃は予約後の変更が可能でしたが、現行の運賃体系で「シンプル」を選択した場合、たとえ障がい者割引が適用されていても予約後の変更は一切できません。
また、出発24時間前にオンラインチェックインが始まるまで、座席指定ができません。オーバーブッキングのみならず、座席に関する配慮が必要な場合にリスクがあり、問題になっています。
スタンダード
事前座席指定と予約変更に関する制限が緩和されているのが、中間的な運賃種別である「スタンダード」です(出発前日まで購入可)。
「シンプル」よりも運賃額は高いものの、上述したようなリスクは少ないです。座席指定に関して従来通りのサービスを求めるのであれば、「スタンダード」運賃を支払う必要があります。
フレックス
制限が基本的にない代わり、運賃額が最も高いのが「フレックス」です。
予約変更が可能であり、当日でも予約購入が可能ですが、従来の普通運賃に相当する運賃種別であるため、非常に高額です。個人が旅行で気軽に手を出せる金額とは言えません。
運賃水準の差
これらの違いを、実例をもって見てみましょう。
下図は、東京羽田・札幌千歳便の運賃種別ごとの運賃額です(障害者割引適用後の金額:5月の平日)。金額は常に変動するため、一瞬の金額と考えていただきたいです。

最も安価な「シンプル」と「スタンダード」の差額は概ね3,000円ですが、これをリスクへの対価と捉えるかどうかは人それぞれです。
障害者手帳による運賃割引
障害者手帳を提示することで受けられる運賃の割引は、運賃部分について各運賃種別の通常運賃の20%割引です。運賃に加え、運賃に対する消費税と旅客施設使用料が別にかかります。
以前の運賃体系において設定されていた「障がい者割引運賃」は通年同額であり、ピークシーズンに活用する価値がありました。しかし、現在の運賃体系においては、定率の割引のみです。ピークシーズンに経済的に旅行するのが困難になったと言えるでしょう。
「シンプル」購入のリスク
事前座席指定ができない「シンプル」を購入した場合、障がい配慮として無料で座席指定を受けたり、早期に座席を確保することはできません。
あくまでも出発24時間前からチェックインとしての座席指定が可能になるにすぎないことから、介護者・付添人と席が離れるリスクがあることを押さえておきたいです。
JAL

JALにおいても、2023年4月以降は変動制運賃が採用されています。普通席・クラスJにおいては3段階の運賃種別、ファーストクラスにおいては2段階の運賃種別に分かれています。
| 運賃種別 | スペシャルセイバー | セイバー | フレックス |
| 発売期間 | 28日前まで | 前日まで | 当日購入可 |
| 事前座席指定 | 可(無料) | 可(無料) | 可(無料) |
| 予約変更 | 不可 | 不可 | 可(無料) |
| 払いもどし(出発前) | 可(有料) | 可(有料) | 可(無料) |
ANAと同様に、運賃の障害者割引もこれらの運賃種別がベースになります。
スペシャルセイバー
購入上の制限が厳しい代わり、運賃額が比較的低く抑えられた運賃種別が「スペシャルセイバー」です。JALの運賃は完全変動制であるため、出発28日前まで購入可能な「スペシャルセイバー」とはいえ、早々に売り切れたり値段が高くなることもあります。
不定期で開催されるセールで発売される運賃種別「プロモーション」の発売条件も、スペシャルセイバーに準じます。
JAL便を予約する際には「プロモーション」や「スペシャルセイバー」を第一選択にすると経済的でしょう。
JALにおいては、運賃種別は発売条件や制限の違いであって、事前座席指定や無料手荷物預入量といったサービス面には影響がありません。
セイバー
「スペシャルセイバー」よりも制限が緩いのが「セイバー」です。出発前日まで予約購入可能であり、普通席に関しては売り切れになることも比較的少ないことから、この運賃種別を利用する人が多いかもしれません。
発売額が高いため、スペシャルセイバーが売り切れた際の次善の策として利用するとよいでしょう。
フレックス
発売上の制限が基本的にない代わり、運賃額が最も高いのが「フレックス」です。
真に満席でない限りいつでも予約購入が可能であり、出発当日でも可能です。その分、運賃が非常に高額であるため、個人が気軽に負担できる金額とは言えません。
運賃水準の差
これらの違いを、実例をもって見てみましょう。
下図は、東京羽田・札幌千歳便の運賃種別ごとの運賃額です(障害者割引適用後の金額:2026年5月の平日)。金額は常に変動するため、一瞬の金額と考えていただきたいです。

普通席・クラスJ(JRのグリーン車に相当)とも、上記の運賃種別に基づいて発売されています。出発1か月程度前に予約しましたが、このように「スペシャルセイバー」はほとんど売り切れでした。
「スペシャルセイバー」と「セイバー」の金額差は3千円程度のこともあれば、1万円を超えることもあります。ANAと異なり、利用する運賃種別にかかわらず受けられる配慮やサービス面に差がないため、ためらわずに安い運賃種別を選択できます。
障害者手帳による運賃割引
障害者手帳を提示することで受けられる運賃の割引は、運賃部分について各運賃種別の通常運賃の20%割引です。運賃に加え、運賃に対する消費税と旅客施設使用料が別にかかります。
「プロモーション」や「スペシャルセイバー」といった運賃種別に障害者割引を適用すると、ローシーズンには1区間の運賃が1万円を下回ることがしばしばあります。搭乗時期と予約タイミングを的確に見極めれば、LCCや新幹線よりも格安に移動することが可能です。

ANA・JALの運賃割引の仕組みを理解できたところで、新幹線と並行する区間の航空運賃と鉄道運賃を比較してみたいと思います!
ANA・JALの運賃割引と新幹線の運賃割引を比較【東京駅・博多駅間】

障害者手帳による割引が適用されたANAやJALの航空運賃は、鉄道運賃・料金とどの程度差があるのでしょうか。
ここでは、航空便と新幹線が競合する代表的な区間である、東京駅(東京都千代田区)から博多駅(福岡市博多区)までの区間で比較してみましょう。搭乗1か月前に、東京・福岡間の航空券と鉄道きっぷを予約購入することを想定したいと思います。
7月上旬の金曜日午前中における同区間の運賃・料金(普通席)は、以下の通りです。
| 交通機関 | 運賃種別 | 最安運賃・料金 | 介護者・付添人1名の割引適用 |
| ANA | スタンダード | 14,640円 | 条件なし(本人と同額) |
| JAL | セイバー | 16,400円 | 条件なし(本人と同額) |
| 新幹線 | 普通車指定席(通常期) | 16,770円 | 第一種のみ |
最安運賃を一見した限りでは航空運賃の方が若干安いですが、空席状況に応じて高額に変動した場合、新幹線の方が安くなります。
割引条件は航空機の方が総じて緩く、介護者・付添人が同伴する場合、新幹線よりも航空機の方が総額で安価になる可能性があります。ただし、航空運賃が変動制である限り、実際に予約するまで総額の比較はできません。
航空運賃が高い場合に新幹線を利用するといった使い分けをするとよいでしょう。
航空運賃【ANA・JAL】
ANAについては事前座席指定が可能な「スタンダード」、JALについては比較的予約しやすい「セイバー」を基準に比較します。各社の金額表示は、運賃と旅客施設使用料・消費税込みです(通常運賃から20%割引し、旅客施設使用料と消費税を加算して求めます)。
ANA
- 「スタンダード」運賃(割引適用):12,800円~17,680円
- 旅客施設使用料・税金:1,840円~2,328円
- 合計:14,640円~20,008円

事前座席指定の必要性を考慮し、「スタンダード」にて試算しました。予約購入するタイミングで価格は変動するものの、満席にならない限り「スタンダード」が売り切れることはありません。
調べた時点では、JALや新幹線よりも安い価格を提示していました。
JAL
- 「セイバー」運賃(割引適用):14,400円~20,800円
- 旅客施設使用料・消費税:2,000円~2,648円
- 合計:16,400円~23,528円

調べた時点では、搭乗28日前まで購入可能な「スペシャルセイバー」は売り切れで、予約購入できたのは「セイバー」でした。金曜日の午前中は比較的混んでいるようで、金額が高止まりした印象です。
「セイバー」は(あくまでも安い時は)新幹線運賃・料金とほぼ同額であり、新幹線の運賃・料金を意識したように見受けられます。
鉄道運賃【新幹線「のぞみ」号】
新幹線の乗車に必要なきっぷは、普通乗車券と新幹線特急券です。そのうち、普通乗車券に関しては、運賃減額欄の区分にかかわらず5割引になります。
- 普通乗車券(割引適用):7,040円
- 新幹線特急券(無割引・通常期):9,730円
- 運賃・料金の合計:16,770円

新幹線の運賃・料金については、いまのところシーズン別の料金加算・減算のみであり、混雑予測に基づいた列車ごとの価格の変動はありません。そのため、発車する時間帯や予約を行うタイミングを気にすることなく、一定の金額できっぷを購入できます。
航空機よりも所要時間がかかるものの、航空機ほど搭乗時のサポートが必要なく、価格が安定している分安心して利用できるでしょう。
ANAとJALにおける予約方法・障がいサポート登録の違い

ここでは、ウェブでの予約方法や各航空会社のサポート対応部署への連絡方法についてご説明します。目に見える障がいはもちろん、不安障害や常同行動などの見えない障がいであっても事前の連絡が望ましいです。
ANA
本人と介護者・付添人1名がペアで搭乗する場合、同時に予約できます。障害者手帳を所持する当事者がグループ内に2名以上いる場合、それぞれ別に予約が必要です。
ウェブでの予約方法
ウェブで予約する際、空席状況と運賃を確認するためには、運賃オプションにて「障がい者割引」を選択します。割引を受けるには、予約購入時にあらかじめこのオプションを選択しておく必要があることを覚えておきましょう。

この画面から検索を行うと、前掲した通り、各便の空席状況と運賃が表示されます。予約したい運賃を選択し、個人情報を入力して予約を完了します。障害者手帳を持つ本人と割引を適用する介護者・付添人をここで指定しますが、この段階では手帳番号を入力する必要はありません。
サポート専門部署への連絡
医療機器を利用する場合や搭乗時に何らかの配慮が必要な場合、予約後にサポート専用部署「おからだの不自由な方の相談デスク」に連絡を入れます。ウェブフォームでの送信が可能ですが、急ぐ場合は電話するとよいでしょう。
ANAには、配慮が必要な内容を登録する仕組みが特にありません。リピートする場合、その都度このデスクに連絡する必要があるため、当事者にとっては負担に感じられるでしょう。
JAL
ANA同様、介護者・付添人が同伴する場合には、本人と同時に予約を行います。
ウェブでの予約方法
ウェブで予約する際、空席状況と運賃を確認するためには、対象者限定割引にて「障がい者割引」を選択します。割引を受けるには、予約購入時にあらかじめ選択しておく必要があることを押さえましょう。

各便の空席状況と運賃が表示されたら、予約したい運賃を選択し、個人情報を入力して予約を完了します。障害者手帳を持つ本人と割引を適用する介護者・付添人を指定するのは、ANAと同様です。
サポート専門部署への連絡
搭乗時のサポートが必要な場合に連絡する専門部署は、JALにおいては「プライオリティ・ゲストセンター」です。ANAと違い、連絡手段は原則的に電話になります。
JALマイレージバンクに入会し(会費無料)、「スペシャルアシスタンス登録サービス」に必要な配慮内容を登録しておけば、予約購入後に都度連絡する必要がありません。これはJAL特有の仕組みであり、目に見えない障がいであっても登録が可能です。

利用する運賃種別にかかわらず「スペシャルアシスタンス登録サービス」を利用できるため、筆者も登録しています。空港での手続きがスムーズで、機内でも比較的快適です。この点においては、JALが優れています。
ANAとJALにおける当日のチェックイン・利用方法の違い

ここでは、航空機に搭乗する当日におけるチェックインと搭乗の流れについて、両社を比較していきましょう。
障害者割引を適用する場合、チェックインは原則的にカウンターで行い、手帳をその時に提示します。その際、事前に連絡した内容以外にサポートしてほしい事項に追加があれば、あわせて伝えます。
搭乗ゲートにおける事前改札は定時運航の確保が真の狙いであり、もっぱら搭乗に時間がかかる旅客が対象です。航空会社が対象者を明確にしておらず、障がいを持つ場合に利用できるかどうかが微妙なので、チェックイン時に確認するとよいでしょう(筆者はゲートで利用を断られた経験があります)。
ANA
チェックインカウンターを探し、チェックインしましょう。操作が可能であれば、オンラインチェックインを先に済ませておくと安全です。
チェックインカウンターを見つけにくいので、大きな空港では「SPECIAL ASSISTANCE」という表示を探すとよいでしょう。チェックイン後、セキュリティチェックを受けますが、空港によっては専用のレーンがあります。

このように、ゲートでも「SPECIAL ASSISTANCE」と表示され、この場所で待つと事前改札を受けられます。

ANAに関しては、障がいのみならず、体が不自由であることを登録する仕組みがありません。空港での対応はそつない印象ですが、搭乗するたびに情報を連絡しなければならないのは正直なところ負担です。
JAL
JAL便に搭乗する時も、空港ではチェックインカウンターを探します。これが見つけにくいのですが、大きな空港では「SPECIAL ASSISTANCE」という表示を目印にするとよいでしょう。
セキュリティチェックに際しては、専用レーンなどの特別な配慮はありません。ゲートでの事前改札は、歩行に困難がある人へのサポートが中心です。見えない障がいがある場合、明確に伝える必要があります。

JALに関しては、障がいを持つ人を受け入れる仕組みが比較的よく整備されているものの、空港のグランドスタッフの対応が雑な印象を受けます。あくまでも個人的な主観ですが、人によっては配慮が物足りなく感じるかもしれません。
主要空港に設置が進む「カームダウンスペース」

利用する航空会社を問わず、空港によっては「カームダウンスペース」を利用可能です。セキュリティチェックを受けた後のエリアにあり、この写真のようにパーティションで囲まれています。
空港のセキュリティチェックエリアはとりわけ刺激の極みであり、誰にとっても不快です。障がいによってはその不快さが増幅され、心身が不調になったり、パニックが起きたりします。そのような状況を鎮めるために、セキュリティチェック通過後の人気の少ない場所に設置されるようになりました。

パーティションの内側は青色となっていて、色的にもクールダウンできるように配慮されています。空港という刺激が強い環境の中で落ち着く必要がある場合には、ぜひ活用したいです。
まとめ

ANAとJALの両社においては、各種障害者手帳を所持する本人と同伴する介護者・付添人1名に対して運賃割引が実施されています。
旅客施設使用料を除く運賃本体に20%の割引が適用されますが、基本となる運賃が変動制であるため、運賃額は一定ではありません。
ANAの新たな運賃種別「シンプル」に関しては、運賃額が低い代わりに座席を指定できるのが出発24時間前のオンラインチェックイン以降になります。本人と同伴する介護者や付添人がいる場合は「スタンダード」を利用するのが現実的でしょう。
運賃額が固定制だった頃の障がい者割引運賃については予約購入後の変更が可能でしたが、現在は購入する運賃種別のルールに依存します。「フレックス」以外の運賃種別には、購入後の変更に制限があるので、注意しましょう。
ANAとJALの運賃やサービスにはそれぞれ違った特長があるため、一概にどちらが良いと断じることはできません。しかし、JALで実施されている「スペシャルアシスタンス登録サービス」は、定期的に航空機を利用する当事者にとって便利です。
この記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました!
参考資料
● 全日本空輸・日本航空ウェブサイト 2026.6閲覧
当記事の改訂履歴
2026年6月08日:当サイト 第2稿
2024年6月16日:当サイト初稿


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